コーセルテル 子竜物語 ３５話

「眠りの調べ」　（ゼロサム９月号）

今月はテイムさんとプレアのお話です。
珍しくマシェル一家の誰も絡みがないです。プレアの脳内イメージとしての登場はありますが。

暗竜家の玄関先の木陰でプレアに子守唄を歌うテイムさん。けれど故郷の子守唄はうろ覚えで歌詞が飛び飛びです。
そこへユイシィがやって来ます。暗竜の変種についての本は書庫の精霊が見つからなくてまだだけど、プレアのために子竜に人気の絵本を持ってきてくれました。イルカのプープーシリーズ。
テイムさんが歌っていた子守唄は、ユイシィが小さい頃にランバルスさんが歌ってくれた歌と同じだったようです。でも、ランバルスさんもやはりうろ覚えだったようですが＾＾；

ユイシィの本来の目的はラルカに人間の国で使われる地図の本を届けること。
出迎えたラルカは以前女の子たちで作った服を着ていました。人化術の特訓中なのだそうです。郵便組合に入る竜には必須の術。地図の本も郵便屋さんになる勉強のためなんですね。
ユイシィがプレアが元気そうで良かったと言うと、ラルカはあんまり元気じゃない、と。
少し前に早く術を習いたいと無理をして高い熱を出してしまったそうなのです。そして、その日から寝つけないでいるようです。テイムさんも看病とか大変でゆっくり寝れないようです。
せめてちゃんと眠れたらと心配するラルカに、ユイシィは何かを思い出しますが…？

翌日。
プレアは絵本がすっかり気に入って何度も読み返してもらっているようです。
だけどテイムさんは昼寝をした方がいいと心配しています。けれどプレアもまた熱が出るんじゃないかと不安で眠れないようです。
そこへジェンがやって来て、ラルカを呼び、テイムさんとプレアも連れて近くの川のほとりへ。
するとそこではロッティがハープを奏で、フアナが例の子守唄を歌っていました。テイムさんが歌っていたものよりはかなり元気な曲になっているようですが。
歌詞は歌う人とか地方で少し違うようですが、ランバルスさんもフアナもテイムさんと同じ国の生まれだから、２人の記憶を頼りに歌を元の形にしようとしているらしいです。
ユイシィが小さい頃に聞いたランバルスさんの歌はうまくはなかったけど、聞いているととても安心してよく眠れた。だからテイムさんが子守唄を歌えるようになれば、プレアもきっと眠れるんじゃないかと考えたのですね。
そしてテイムさんの記憶を加え、子守唄が完成します。
その歌を聴きながら、プレアは夢の中へ。
マシェル一家とアグリナとヤチ、プレアを迎えてくれた人々の笑顔を思い出しながら――。
歌が終わるとテイムさんも眠ってしまっていました。やはり疲れていたんでしょうね。２人とも安らかな表情で、ラルカも良かったと安堵します。
そしてその日からは、プレアも毎晩ぐっすり眠れるようになったとのことです。
早く空向こうに帰りたいと願っているプレアですが、コーセルテルでの日々も楽しいと思い始めてくれているようですね。

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コーセルテル 子竜物語 ３４話

「万年雪の事情（後編）」　（ゼロサム８月号）

扉絵がカシとその兄弟たちが小さかった頃の一場面のようですが、カシとアクタエオン（やっぱりミニサイズ）が戦っています。
ちょっとしたケンカっぽいですが、昔からの顔馴染みだったんですね。精霊だから昔って一体いつのことか分かりませんけど。

崩れた場所を下りて岩の裂け目をアータが探ると、マシェルとナータとシイの気配がちゃんとあり、無事なことを確認。また崩れたら危ないからと、土に埋もれない地竜であるアータが様子を見に中へ。
けれどアータだけでは岩をどかすにも時間が掛かるし危ないと、カシは地竜家へ助けを求めに行こうとしますが、シイが暑さに負けて小さくなっていたらカシが助けなきゃだろうとアクタエオン言い、代わりに地竜家へ。
サータは自分の手を見つめ、自分たちにも地竜術が使えるようになってたらと呟きました。地竜術の練習をしていたんですもんね。そりゃあ悔しいですよね。

シイには昔の、暗竜が一番荒れていた頃の記憶があるそうで、だから暗竜が恐いらしいのです。
コーセルテルにその暗竜が帰ってきたと聞き、カシのことが心配で迎えに来た、と。
ナータとラルカとエリーゼは暗竜たちが残して行った卵でしたが、プレアは後から来た卵ですからね。
だからシイはナータも、その竜術士であるマシェル＝カシを負かした竜術士も恐がっているのです。
しかもナータが睨んでるから余計に。ナータは岩が崩れてきた際にマシェルが助けたのに恐がってるシイに怒ってるのです。
さらに、マシェルが膝を押さえるのを見てケガをしているのかと更に怒るナータ。マシェル本人はかすり傷だと言いますが、荒げたナータの声を崩れた岩のすぐ向こうまで来ていたアータが聞き、慌てて引き返しました。
ナータの声にひどい怪我だと勘違いしてしまったんですね。
そして外のみんなにもそのことを伝えると、自分たちも地竜術が使えるはずなんだと、みんなで助けに行くことに。

シイはマシェルに保冷石をもらったり、一緒にカシのところへ行こうと言われたりして、悪い人ではなさそうだと判断したのか恐がりはしなくなります。
そこへアータたちが到着。みんなで地竜術で岩をどけるんだと張り切る子竜たちに加えて、カシが上の方の岩を凍らせて崩れないようにしてくれているようです。
だから最初は危ないからダメだと反対しようとしたマシェルも、みんなが地竜術を使えるようになるチャンスだとやらせてみることに。本当は暗竜術を使えば簡単に出られるそうなのですが。
そしてナータも、自分だけ何もしないわけにはいかないと、『地の貴石』を使って下の方の岩を支えることに。
竜たちが協力し合って助けようとしてくれている姿に、マシェルとケンカ（じゃないけど…）しているはずのカシも一緒に助けようとしてくれていることに、シイは以前、お山のおばあさんに時代は移ると言われたことを思い出します。
今の竜たちは恐い存在ではないのだと――。

子竜たちの頑張りで、マシェルたちは無事に外へ。シイもカシに預けられます。
そしてカシはマシェルに向かって、もう二度と穴蔵に入るなと怒鳴ります。いつも岩崩れにあって大事が起きているって（苦笑）
マシェルはカシを叱りに来たはずなのに、逆に叱られてしまいました（笑）
ちなみにカシは元の精霊から“力”だけを、シイは“記憶”を受け継いでいるのだそうです。
シイの思い出した一番古い暗竜の記憶、体が弱いけどとってもやさしい子というのは……何か今後絡んでくるのか…？
あ、アクタエオンは地竜家に誰もいなくて困ってます（苦笑）　みんな書庫に潜ってるんだって。だけど彼には書庫の場所が分からない。可哀想なアクタエオン…（苦笑）

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コーセルテル 子竜物語 ３３話

「万年雪の事情（中編）」　（ゼロサム７月号）

今月はセンターカラー！
ポストカードの付録と、石動先生のインタビュー記事もありです。

空の上でアクタエオンとケンカ中のカシ。今は夏なんだから冬の精霊がウロウロしているなとアクタエオンに言われ、お前には関係ないと返すカシ。
そこへマシェルの子竜たちがカシを呼ぶ声が。竜術で声を空の上まで飛ばしているのです。
そしてカシが降りてみると、空がカシだったと言う子竜たち。空と谷に同じ気配を感じて、空の方がカシだったわけですが、同じ気配を見つけたことにカシが反応します。
カシには分裂型の兄弟がいる。精霊には一人が半分にわかれて兄弟になる者がいて、カシにはそんな兄弟が４人いる。元が一人の精霊だから気配や姿がよく似ている。だから空と谷、どちらかがカシで、どちらかはカシの兄弟かもしれないと、子竜たちはフルーおばあさんに教えてもらったのです。
そして話を聞いたマシェルは、コーセルテルの中は夏の精霊が気遣ってくれてるから暑くはないけれど、それでも冬の精霊にとっては大変なはず、と。カシは例外ですからね；
だから谷にいるのがカシにしてもカシの兄弟にしても、外の暑さにやられてバテているのなら大変だから保冷石を持って行ってあげようとマシェルは谷へ。ナータはついて行きますが、他のみんなはお留守番。
だけどそれじゃつまらないとサータが言い出し、マータがカシなら呼べば降りて来てくれるんじゃないかと、みんなで空にいる方がカシかどうか確かめるために呼んだのでした。

子竜たちに事情を聞いたカシは、そんなことはどうでもいい、シイはどこの谷にいると訊いてきました。
やっぱり兄弟が来てるんですね。っていうかアクタエオンがシイちゃんって呼んでるんですが、面識あるの？　カシみたくフラフラしてるわけじゃないだろーに（苦笑）
北の谷にいると聞いてカシはすっ飛んで行ってしまいましたが、ついて行きたいと思っていたアータ以外の子竜たちはアクタエオンを見つめます（笑）　アクタエオン、すっかりこんな役回りになってますね。え？　最初からこうだった？（笑）

そして北の谷に着いたマシェルとナータ。術道具ではあまり遠くまで飛べないのでサータも連れて来たら良かったんじゃないかと言ったナータに、マシェルは今回はだめだよと言います。
ここで弱ってるのがカシだったらそんな姿を見られたくないだろうし、カシは簡単には助けてなんて言わないから協力するならそっと少しだけの方がいい、と。マシェルはすっかりカシのこともよく分かっていますね（笑）
そしてしばらく歩いて、ナータが岩の裂け目の置くに気配を見つけます。マシェルが呼びかけると、カシちゃんを知っているのと小さな女の子の姿の精霊が出てきました。
彼女がシイですね。見た目は小さいけどカシのお姉ちゃんなんだそうです。
カシが探していたから一緒に行こうとマシェルが言うとシイは出て来ようとし――けれどナータの姿を見て、マシェルが竜術士だと知ると奥へ走って逃げてしまいました。
精霊にとって精霊術士は恐るべき存在ですが、竜術士は大丈夫なはずなのに…？　それに竜――というより暗竜を怖がっていたように見えますが…？
シイを追いかけるマシェル。ナータは岩の裂け目が崩れそうなことに気づき、けれどマシェルを追って奥へ――。

谷の上でシイを探すカシ。そこへアクタエオンと連れて来てもらった子竜たちも到着。６人もの子を背負ってきたアクタエオン、ダウン（苦笑）
カシにシイもマシェルもいないと言われ、確かにこの辺だったとナータと一緒に暗竜術で探したタータとアータは言います。と、その時。
アータが足元の下の方、土の中で何かが崩れる気配を感じました。空洞とか洞窟があってそれが崩れたのだろう、と。
そしてカシがマシェルがまた閉じ込められたんじゃないかと呟き――まさかと青くなる一同。
困ったことに、どうやらそのまさかのようです――。

シイが子供の姿だったということは、力が失われて弱っているということですよね。小冊子に出た時はカシと同じくらいの大きさ（？）でしたもんね。
一体何があったのか。そしてマシェルたちは無事なのか――！？

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コーセルテル 子竜物語 ３２話

「万年雪の事情（前編）」　（ゼロサム６月号）

コミックス４巻は来月発売だそうです☆

ナータとサータが初めて武術訓練に行った日の夜。
夕食を食べながら昼間の出来事を話して盛り上がっています。
ナータによくカシとケンカしなかったねと言ったマシェルですが、そういえばカシは来てませんでしたね（←お前も忘れてたんかーい！）
カシは結構まじめなので、新しい子が来るのに休むなんてどうしたんだろうとマシェルは心配しています。
他の子たちは地竜家へ暗竜の変種の本を探しに行っていたようですが、地竜たちもまだ書庫の精霊には会えず見つかっていないようです。
だからリンテの家作りの手伝いをお願いに行ったけど、それもまだまだムリそうだって。
アータがその分頑張ると言いますが、重さは感じなくてもリンテの遺跡から石を運ぶのだから遠いしかさばる。アータ一人ではとても大変です。
そこでマシェルは明日から新しい竜術の勉強をしようと言い出しました。その竜術とは――明日のお楽しみ。

明日の準備のために、寝る前に昔勉強した竜術の本やノートを出していたマシェルは、窓の外に冷気を感じます。
外にはカシが。しかしマシェルが声を掛けるとすごく驚いたので、自分から声を掛けるつもりはなかったのでしょうかね？　けれどマシェルに竜術で失せ物探しはどのくらいの範囲までできるのかと訊いたので、声を掛けるのを躊躇っていたのかな…？
マシェルがコーセルテル内ならだいたい分かると答え、探し物をしているなら手伝おうかと申し出ると、お前の力なんか借りなくてもなんとかなると言って逃げるように飛んで行ってしまいました。
明らかにワケありって感じですが…？

そして翌日。
竜術の勉強の開始です。やるのは地竜術。けれどアータのためではなく、みんなのための。
みんな“月の術資質”を手に入れたので、自分の力以外の竜術もできるようになったんですもんね。だから地竜術でアータのように重さを感じなくなれば、アータだけに重い物を持たせなくてすむようになりますね。
けれどなかなかうまく行かず、みんなが少しヘコみかけていた所へ、フルーおばあさんがやって来ました。ケーキを持ってきたという言葉にナータ以外は復活（笑）
しかし、フルーおばあさんの方が元気がありません。
何日か前にカシに手紙が届き、それからカシは出掛けたままずっと帰っていないそうです。でもマシェルが昨晩カシを見たと言うと、フルーおばあさんはほっと胸を撫で下ろしました。
でもマシェルはフルーおばあさんをこんなに心配させるなんてとカシに対して怒り、同調術でカシを見つけて叱ってやろうと言い出しました。
けれどマシェルの本心はむしろみんなに同調術をさせることの方にあるようです。マシェルの子竜たちは同調術が得意だから、地竜術がうまく出来なかったけど得意なことをさせて自信を取り戻させよう、と。
そしてサータ、マータ、ハータはカータと明るい所を、アータとタータはナータと暗い所を探し始め、すぐに見つけますが――カータたちは空の上、ナータたちは北の谷と別の場所を挙げました。
再度探しますが、やはり結果は同じ。
するとフルーおばあさんが――「もしかしたら…カシが二人いるのかも――」
それってカシのきょうだいが来てるってことですかね？　いよいよ本編登場ですか！？
っていうか、手紙が来たってことは、もしかしてお山のおばあさんに何かあったのか――！？

次号はセンターカラー＆付録ポストカード、そしてゼロサム１０周年企画のインタビューに石動先生が登場だそうです！

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コーセルテル 子竜物語 ３１話

「武術訓練！！」　（ゼロサム５月号）

今月でゼロサムは創刊１０周年！！
連載作家陣の複製色紙の全サありです。

テイムさんとプレアが暗竜家へ引越してから数日。
いよいよサータとナータの初武術訓練の日です。
心配して送り出す際に色々と注意をするマシェル。ナータにも少し呆れられるほどです（笑）　本当に心配性だなぁ…（苦笑）
そして訓練に向かう途中、マシェルは心配性だと言うサータに、ナータはサータがはしゃいでいるのが心配なんだろうといいます。
武術訓練だから多少の怪我は仕方ないかもしれないけど、はしゃいで失敗して怪我をしてマシェルの心配を増やすな、と。
その言葉にむっとしたサータは、一方的にケンカ腰です。

訓練場所である広場に着くと、他の子達は先に来ていました。そしてグレイスが今日は“合戦ごっこ”をするんだと教えてくれました。
染料を染み込ませた布の剣を使い、広場と森の中で戦うもので、染料をつけられると負けなんだそうです。
一見、遊びのようにも思えますが、実戦に近いと言えばそうですよね。
そして勝者には前の試合で使わなかった『竜術士がなんでもわがまま聞いてくれる券』をプレゼント。
その券についてマシェルは知っているのかと訊ねるナータ。エレさんはもちろんだと言いますが、ナータは若干驚いているように見えなくもない…？

そしてリリックとロイはハンデとして、初心者のナータとサータの補助役に。
グレイスとマリエルはリリックが１番強いからおすすめだと推しますが、サータはロイを選びました。
なぜって、家でナータ（暗竜）に勝てるのはタータ（木竜）だからだって（苦笑）
一方的にケンカ中なので、ナータにはどうしても負けたくないようです。
でもロイとリリックはあくまで補助、本人たちは剣を持って戦わないので、サータの選択は正しいですね。ロイは完全に頭脳戦です。
相手の心理を読み、自分達が優位に立てる場所を探し、更には敵同士（グレイスとロービィ）をぶつけて不意打ち。
体力だけじゃないロイの強さに、サータは強くなりたいとますます決意します。
そしてマシェルが頑張れと言って送り出してくれたことを思い出し、心配しても、怪我しても悔しくても頑張れって言ってくれるのかなと考えて、ナータがエレさんにマシェルが券のことを知っているのかと訊ねた後のことを思い出します。
券のことを知っているということは、１番になるために頑張る、そのために怪我や少しの無茶をするかもしれないことも予想できる――。
マシェルがそれを承諾していたということに、ナータは少し驚いていたのですね。
そのことに気づき、サータはナータはおそらく広場に戻っていると言ったロイの言葉に従って一直線に走り出します。
そして広場でナータの姿を見つけると、マシェルがいくら励ましてくれるからって無茶してマシェルの心配を増やしたりしないよと大声で叫びました。最初にナータに言われた本当の意味がサータにも分かったようですね。

しかし、そこにいたナータの額には染料が。マリエルと戦って負けたようです。
そしてサータもあっさりマリエルに敗退。勝ち残ったのはマリエルでした。
ナータはマシェルがピンチの時はすごく素早いし強いのに意外だとサータ。
剣の使い方もわからなかったと言うナータの言葉に、サータはハッとします。
「もしかして、マシェルがいないから？」
そう訊かれて少し驚きつつ、多分と答えるナータ（苦笑）
ナータはやっぱりどこまでもマシェル第一ですね（笑）

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