「竜術士の兄妹 前編」 (ゼロサム11月号)
いよいよ本編にフアナが登場です!
ミリュウさんの元へ届いた手紙。いつも通りエカテリーナさんとフアナから、それともう1通。
何と、お父さんの記憶が戻ったそうなのです!!
それで話が聞きたいから来てくれということで、ミリュウさんは行くことに。
けれどその前にマシェルの元を訪ねます。
いつになるか分からないけれど、もしもの時のために今から頼みごと。
その頼みごととは、マシェルにフアナと“秘密の約束”をして欲しいということです。
コーセルテルにいる人間は、外にいる信用できるただ1人の人間にだけコーセルテルのことを話すことを許されていますが、それにはその外の人間がコーセルテルに関することを他の誰かに話してしまった場合、その瞬間にコーセルテルに関する記憶のすべてを失くしてしまうという秘術が含まれている。
そして、たとえコーセルテルで育ったとしても、その後に外へ出て行った竜術士ではない人間を里の竜たちは信用しない。
ミリュウさんも含め、誰もがフアナが風竜術士になることは大歓迎しているけれど、フアナ自身がそれを望まなかった場合は――
「空を飛ぶ自由と、大地をどこまでも歩ける自由。あの子自身で選ぶことはまだできない」
フアナには風竜術士になって欲しいけれど、決して強要はしないってことですね。
だからフアナが竜術士になるための勉強をするためにコーセルテルに来た後、普通の人間としての自由を選んだ場合に、マシェルに約束して欲しい、と。
そしてミリュウさんは出立しましたが、その晩。
2人の話にナータとマータとタータも居合わせていたので、ナータたちの部屋に集まって子竜たちでその話題で盛り上がりましたが――ナータは、記憶を忘れてしまうなんていう恐ろしい秘術をいまだに使っているのが気に食わない、と。
そして皆が寝てから、ナータは1人で地下の暗竜の卵の元へ。色々と考えながら。
なぜ里の竜たちは竜術士が身内で集まるのを嫌がるのか。
なぜ竜術士じゃひとつの竜族に1人なのか。
マシェルは特別だけど常なら竜術士はたった7人しかいない。
竜術士が替われば子竜もすべて入れ替わる。
他の竜には帰る里があるけれど、暗竜には里がない。
新しい暗竜術士が見つかれば卵のためにも早く代替わりした方がいいけれど、そうしたらラルカとエリーゼはどうなるのか。
里の竜たちが第一に守りたいのは子竜や竜術士ではなく、このコーセルテルという場所なんじゃないか――。
……って、本当、ナータは色々考えてるなぁ…^^;
まぁ確かに色々と疑問ですよね。まだまだコーセルテルは明かされていない謎がたくさんありますからねぇ。
そして3日後、ミリュウさんが帰ってきました。フアナちゃんを連れて。 早っ!!
まー、相変わらず可愛い顔して田舎のガキ大将みたいなしゃべり方のフアナちゃん。絵と台詞が合ってなさすぎるw
風竜の子達とはすぐに打ち解けたフアナちゃんですが、これならすぐにコーセルテルに慣れると言うマシェルに、ナータはそうなはらないと断言。
「きっと……マシェルをひどく――困らせる」
一体ナータはフアナちゃんを見て何を感じ取ったのでしょうか…!?