コーセルテル 子竜物語 ９３話

「竜の都の竜術士⑯」　（ゼロサム４月号）

遅刻すみません；；

コミックス発売記念で今月はセンターカラーです♪
１２巻は先月号分まで収録されていたので、コミックスの続きが本誌で読めますよ！
今回でとりあえず山場は越えるので気になった方は是非。
ただし、まだもうひと山あるようです。

故郷が魔族に襲われているという知らせを受けたダグはすぐに向かおうとしますが、デレルに竜術士でないお前が行っても何もできないと言われます。
フェルリさんも止めようとしますが、カロアスの力なのか、ダグのいる夢との間に見えない壁のようなものが出来て触れることができなくなります。
……ちなみに今頃気づきましたが、ダグの故郷が魔族に襲われたというのは別にカロアスがそういう夢に変えたわけではなく、実際にあった出来事だったのでしょうね。だからカディオさんが泣いたり、メリアさんが辛そうな表情を浮かべていたんですね。

ナータがカロアスに向かってまたお前が邪魔をしているのかと睨むと、カロアスは邪魔をしているのはお前たちだと言います。月の精霊まで巻き込んで、という呟きからすると、月の精霊に対しては悪意はない様子。
そして黒精霊を散らしたくらいでこの❝呪い❞が消せると思うなよと怖い発言。
「知っているか？　地竜術士ダグの一番の望みは❝家族と共に暮らすこと❞だった。奥方の霊を取り込んで、共に呪いの黒精霊となれば望みが叶うというものだ」
ついでにお前たちも、とカロアスはマシェルとナータも取り込もうとします。
コーナがカロアスに反撃しようとしますが、カロアスはコーナにすまないと言って、力を貸してほしいとも言います。
「あなたを眠りに押し込め、半身にも会わせず利用するだけのおろか者は、二度とこの地に踏み込ませない」
つまりカロアスは完全に誤解している――！！

一方、外では、夢の中の様子が分からなくなり、コーナまでいなくなり、その場に残っていたカータとハータとサータは大パニック。
ちょうどそこへカディオさんが来てくれましたが、走って来たので今の夢の様子は見ていません。
カディオさんに状況を口早に説明すると、同じく夢の中の様子は見えていないシイちゃんが月の精霊が黒精霊に捕まるなんてありえないと言います。
そして、月の精霊と渡り合える力を持った精霊に、シイちゃんは心当たりが。
大昔、巨大な力を持った原始の精霊がなぜか人間に生まれ変わり、子孫を増やし、精霊でいう分裂を繰り返し、精霊であり人間でもある一族となり、小さいながらも国を作って栄えていた。
けれどその一族は滅びたはずだと言うシイちゃんに、カディオさんがたぶんイル・カレナスの王族がそれだと思う、と。
それでも月の精霊を捕まえるだけの力があるかは微妙なところのようで、カディオさんはマシェルに話し掛けます。
するとマシェルからは、大丈夫だよとわりと明るい声が返ってきました。
そしてカディオさんとシイちゃんにあの人の正体を教えてくれてありがとうと言います。
「僕の子竜に手を出すならぶっとばさなきゃと思ったけど――エレさんと、イルベックのお母さんのご先祖様なのか」
元の姿に戻って術杖を構えるも、ほっとしてにっこりと微笑んでいるマシェルですが、言っていることは怖いよ！　いつものことですけど！！（苦笑）
そしてコーナも、カロアスにマシェルとナータは大切な友人ですと伝えます。
マシェルと７人の子竜、そして今この地にいる人のお陰でイルベックと仲直りができた。
「私は彼らに救われ、イルベックはあなたの一族に救われたのです」
「ありがとう、人間（ひと）の精霊の――王よ」

正体を見破られたためか、カロアスは少しおとなしくなります。
❝王の力❞は妹に譲ったから、功績は妹かその子供らのものだ、と。
カロアスは普通に人間として育ったけれど、祖父から精霊の力を受け継いだ時から、精霊は他人に思えなくなった。
そして月の精霊を自らの力を高めるために利用するだけの竜術士が腹立たしかった。
人間が術資質を持っただけでは何もできないのに、竜が力を貸すせいで力を手に入れたい者だちが増長し、自分達に都合よく天候や大地の恵みを操り、時にはただ権を競うためにその力をふるった。
そうやって竜の力が使われすぎることで、精霊たちの司る自然の理が狂わされていた。
「考えなしの竜どもが嫌いだ！　竜術士どもが大嫌いだ！！　だから竜都が滅びた時、うらみの黒精霊を集めて呪ったのさ。この地を乱す者が、月と星を狂わすような欲を持った者が、二度とこの地に集わぬようにと」
つまり、コーセルテルを守っていたのはカロアスだった――！！

衝撃の事実が判明したところで、ダグの夢が暴走を始めます。
ナータがカロアスに夢を止めろと言うと、カロアスは誰が竜の頼みなど、と誤解は解けたはずだけど、そう簡単に竜を嫌う気持ちまで変わってはくれないようです。

けれど、マシェルたちの前にラシェが現れ、これは父さまと母さまには必要な試練ですと言って止めました。
当初の目的とは違いますが、まだ２人ともお互いの本心を打ち明けていませんもんね。
最初からそれを言えてたら、今回のような事態に陥ることもなかったでしょうに……さて、２人は素直になることができるのか……！？

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コーセルテル 子竜物語 ９２話

「竜の都の竜術士⑮」　（ゼロサム３月号）

やはり１２巻は２月２５日発売です。

実は先月のゼロサムは、発売当日に行ったのにいつもの本屋では売り切れてしまっていて、翌日にアニメイトまで買いに行ったのですが、今月もラスト１冊でした。普段は２、３冊は残ってるのに。
やっぱりヒプマイ効果でしょうねぇ。
神尾さんが出演されてるから気にはなっているのですが、私は今のところノータッチです。。。

コーナが次々に黒精霊たちを捕まえ、残るはあと１人。ランバルスさんもかなりお疲れのようです。
そこへテイムさんがダグのことでいくつか分かったことがあると報告に来ました。
ダグは思った以上にすごい人だった、と。
郵便組合の基礎を作った人物のひとりで、保冷石や灯り玉などの一般術道具の開発にも携わっていて、暗竜術を使った長距離移動できる施設を辺境地域に作ったりと、貴族社会のような竜都で、身ひとつで来た若者がやろうとしたら困難を極めそうなことばかり。
自分の故郷だけでなく、辺境の人々の暮らしが良くなるように努力していたように思えます。ますますめっちゃ良い人…！
テイムさんの話を聞いて、メリアさんはなぜか辛そうな様子。何か思い出したことでもあるのでしょうか…？
ラルカが心配しますが、カータがダグが夢の中で話している人物が先ほどから夢の邪魔をしている青年であることを告げ、みんなの注意は再びそちらへ。

ダグは術道具の開発を町の職人の所へ頼みに行きますが、そこの主人には断られ、追い返されそうになります。しかも他の人々は月の力を欲しがるのに、彼は月の力がついたら大変だと娘のクレーナと共に奥の部屋へ逃げるように下がってしまいました。
しかしその息子――邪魔をしていた青年・カロアスはうちの家系は術資質なんてなくてもいいんだと意味深なことを呟き、術道具の開発を手伝ってくれると言います。その代わり、自分の手助けもしてほしい。
それは――「旅の月の精霊イルベックをつれて来て、眠る月の精霊コーセルテルと会わせたい」
現在はともかく、昔はふたつの月が出会うと災いが起こるとされていた時代。
実際、三千年と少し前、ふたつの月が出会ったことで嵐が起こり、それに乗じて魔族が竜都に襲い掛かり、竜都は滅びた。手引きした者は裏切り者の竜術士と言われて。
それを知っているフェルリさんはダグにダメだと言います。
ふたつの月が出会えば何が起こるか知っているのに、どうしてダグはその願いを承諾したのか。
ダグは俺もあいつと同じ事を考えていたからと答えました。
でもそれは、ケンカをさせるつもりじゃない。
ダグは子供の頃、湖の上に浮かぶ月の精霊を見た。水面に映る昼の月をのぞき込んで、話し掛けているようにも見えた。その姿は、とても寂しそうに見えた。
竜都に来て勉強して、よけいに思った。旅の月は半身たる眠る月に会いたいんだろうと。眠る月も目覚めた時に旅の月に会いたいと泣くのなら、月の術資質をもらったお礼も兼ねて、彼らの願いも叶えてやれたらと思っていた。
できれば叶えてやりたい、という明確ではなかった願いが、思いがけず協力者を得たお陰で現実味を帯びた。
ダグが言うには、カロアスはちょっと口が悪くて変わり者だけど良い奴、とのこと。
んん～～～？？？
ダグの記憶の中のカロアスと、夢を邪魔しているカロアスは、同一人物だけど別人っぽい？？
マシェルの夢とは別の空間からカロアスが出て来ました。
さらにコーナまで夢の中に引きずり込んで来た！？
眠る月まで関わっているのか、たいしたものだと言い、俺も手を貸すとするかと夢に干渉します。
マシェルの夢の中にいるはずのダグとフェルリさんの夢を強制変更。
フェルリさんの父親が、ダグの故郷が魔族に襲われたという知らせを持って来た――！！
本当にカロアスは何者なんでしょうか…！？＞＜

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コーセルテル 子竜物語 ９１話

「竜の都の竜術士⑭」　（ゼロサム２月号）

コミックス最新刊は今冬発売予定だそうです。
ってことは、２月かな？
来月じゃないってことは２月しかないですよね。

謎の青年がダグに竜を恨めとそそのかしまずが、マシェルの故郷を映した夢からフェルリさんが呼び掛け、ダグはそちらに。
すると他の黒精霊たちはコーナが簡単に捕まえてランバルスさんにパス。
小さな黒精霊は暴れたりはしないけれど、ランバルスさんは何だか切なくなると言います。
辛くて苦しい思いだけが残って彷徨ってるなら、それが伝わってもおかしくないですね。。。

ダグはマシェルの夢に移ったことで、今までは嫌なことばかり思い出していた過去の、嬉しかった記憶を思い出していきます。
それはフェルリさんがダグにしてあげたかったことを今度はしているからというのもあるんでしょうけど。どこまでが本当の記憶でどこまでが望んだ過去なのかははっきりしませんが。

最初は村のことを嫌っていたダグも、ダグが竜都に来たお陰で逆に村に竜術士が行くようになり、村が潤い始めて感謝され、村に恩返しをしたいと思うようになる。
そんなダグの気持ちを知って、外で聞いていたラスエルさんがダグは本当はすごくいい人なんじゃないかと言います。なぜそんな人が『竜都を滅したうらぎり者の竜術士』になってしまったのか。
ランバルスさんは理由はわからないけど、自分も世間じゃ『極悪人の盗賊の頭』だからな、と。
悪い噂というのは、尾ひれがついて出回るものですからね。。。

ダグは村のためにも立派な竜術士になろうと決意します。
でもすぐになれるわけではないので、今は村が少しでも楽に暮らせるようになるにはどうすればいいかを調べ、勉強をする。
1人では心が折れていたかもしれないけれど、フェルリさんが手伝うと言ってくれた。
竜術士のほとんどは愚かなことと罵った。
竜は竜術士でない者の話はあまり聞いてくれない。
わずかな協力者はダグの故郷ならと口をそろえた。
それはきっと、そこが月の精霊が現れる場所だから――。

順調にダグの望む通りの夢が進んでいたかと思いきや、またあの謎の青年がダグのそばに現れます。
他の小さな黒精霊と違って、コーナには捕まらなかったようですね。

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コーセルテル 子竜物語 ９０話

「竜の都の竜術士⑬」（ゼロサム１月号）

本編読んだ後に扉絵を見ると泣く（※個人の感想です）

アータはアグリナとヤチと一緒に、フェルリさんが夢の中に行っていることを確かめるために家に戻りましたが、地下にはフェルリさんがいました。
しかし彼女は泣いていて、消えかけています。
また何もできなかった、と。
今にもフェルリさんが消えてしまいそうですが、どうすればいいか分からず、マータとタータにクレイベルさんに来て欲しいと伝えます。

そして夢の中も大変な状況に。
せっかくダグがフェルリさんと仲直りして、彼の願いがようやく叶いそうだったのに、それを邪魔した謎の青年。
しかもその悪意はマシェルとナータにも向かって来た――！！
それをセレンディが助けました。マシェルたちをセレンディの夢に引き寄せたのです。
謎の青年はセレンディにとってもかなり驚きだったようで、ものすごい慌てています。
あれはダグじゃない。ダグが残した呪いの念から生まれた黒精霊のはずなのに。
フェルリさんはセレンディが元の場所に帰したそうです。危険な気がしたから。
けれどマシェルたちが目覚めるには元の夢に戻らなければならない。
それにあまり長く戻らなければ無防備な体の方が危ないかもしれないと懸念しますが、それは大丈夫だとシイちゃん。生きている人の体を乗っ取る力はないだろう、と。

外ではシイちゃんが黒精霊について話してくれています。
本来、人の世の精霊――黒精霊はとても脆いもの。
黒精霊は初めに生まれた小さな精霊に同じ想いがたくさん集まって重なることで大きくなる。恨みの念の黒精霊もたくさんの人間の想いが重なったものだけど、まったく同じ恨みが重なるということはほとんどない。竜を恨んでいたとしても少しずつ、中には大きく理由が異なるものもいるはず。
そういうものがひとつになっているから、核となっている一番大きな人間の恨みが薄まれば全体が崩れてばらばらになる。
今みんなが見ているという人は、おそらくそのばらばらになったうちのひとつ。初めの姿がダグだったのなら一番力が強かったのはダグだけど、それは恨みの深さというより術力や霊力が強かったから。
邪魔をしている人がなぜそんなことをできるのかはわからないけど、それでもダグよりは力が小さいはずだから、初めの通りダグの中から恨みや悲しみが消えれば彼を助けることはできるはず。

それを聞いてセレンディはホッとしますが、マシェルはダグが離れたら他の小さな黒精霊はどうなるのかと訊きます。
シイちゃんがたぶん消えてしまうと答えると、マシェルは他の黒精霊も助けたいと言います。
無理だと言うセレンディ。彼も本当は救いたかった。けれどそれは叶わず、竜たちは竜都を捨てた。
けれどマシェルは言います。僕が助けたいのは大昔の人じゃなく、すぐそこで泣いている心残りの精霊です、と。
無理な願いは叶えられないけど、見たい夢くらい見せてあげられる。それで泣き止んでくれればいい。
マシェルがそう言うのなら、もちろん子竜たちだってみんなで助けると言います。

ちょうどそこへ書庫にいるエリーゼからラルカに呼び掛けが。
空間を繋ぐと、エレさんが集めた資料をテイムさんに渡してくれと現れ、それを見た子竜たちはあっと気づきます。
そうそう、やっぱりあの悪そうな青年はエレさんと雰囲気が似てる。

他の黒精霊に邪魔されずにダグと話す方法を考えているマシェルたちに、今度はアータが呼びかけます。
クレイベルさんは来てくれましたが、フェルリさんは消えそうなまま、ごめんなさいと泣いたまま。
ダグに何もできなかった、拒絶されてももっとちゃんと話せばよかったと泣くフェルリさんに、マータがダグさんはフェルリさんのこと好きよと言いきります。
フェルリさんも好きならもう一度会ってちゃんと伝えなきゃ、と今回はお節介ではなくマータが正しいですね。
そしてダグを助けるためにフェルリさんにもう一度呼びかけて欲しいとマシェルが言っているとアータが伝えると、フェルリさんはさっきはラシェが連れて行ってくれたけど今度はどうやって行けばいいのか――と悩む暇もなく、ラシェが姿を見せます。私はずーっとここにいるのに、と。
えっと、ここってこの場にってこと？　コーナの話していた感じだと、マシェルの持っていた術杖に思念が宿っているっぽい感じでしたけど。それとも別にラシェの思念は一ヶ所とは限らないってことでしょうか？

とりあえず、フェルリさんは来られそうだけど元の夢では黒精霊に取り込まれる可能性が高い。
そこでマシェルが僕の夢はどうですかと提案。セレンディがやったみたいに夢をつなげてダグに来てもらう。
するとカディオさんの溜息が聞こえてきました。でも、いい作戦だと思うと言ってくれています。
ダグの故郷を調べたところ、イルベス地方だということが分かった。マシェルやカディオさんの故郷と同じ。
だから夢で僕の故郷を見せてあげれば――とマシェルは喜び、カディオさんにありがとうとお礼を言います。
しかし、書庫にいるカディオさんの瞳には涙が。そしてロイとノイが後ろからカディオさんを抱き締めています。一体他に何の事実が分かってしまったというのか……！？

そしてセレンディとコーナの力を借り、マシェルたちは作戦開始。
まだシリアスな展開は続く……そろそろ胸が苦しくなってきました。
最後にはきっとホッとできる結果になるだろうとは分かっていますけど！！

ツ　ラ　イ

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コーセルテル 子竜物語 ８９話

「竜の都の竜術士⑫」（ゼロサム１２月号）

ゼロサムは毎月２８日発売ですが、２８日が日曜の時は前日の２７日に発売されていました。
しかし、今月はなぜか翌日の２９日に発売。
なぜでしょう……？　ゼロサム大丈夫かなってちょっと心配になる。。。＾＾；

クレイベルさんが語ります。
竜ひとりに竜術士ひとり。
竜都の時代、竜たちは望んだだけ竜術士を得ることができた。
けれど竜術士になりたい人間にとって、竜は少なすぎた。ゆえに資質があっても竜術士になれない者が多くいた。
そこで人間たちはいくつも決まり事を作った。
そのひとつが❝ひとつの家系からは一種の竜術士しか出さない❞というもの。
デレルの家計は地竜術士。けれどフェルリは暗竜の術資質しか持たない娘。
本来ならフェルリを暗竜術士の家系のどこかに養子に出さなければならなかったけれど、奥さんの忘れ形見であるフェルリを手放したくなかった。
もちろん、周囲はそろって反対した。そのままフェルリを育てれば掟を破ることになるから。
けれどそれは地竜術士が暗竜術士を育てた場合。
デレルはフェルリを竜術士には育てないと言明した。「掟にそむくにあらず」と。
そしてそれを誰にでもわかるように示し続けるため、他人の前ではフェルリに冷たく接していた。家族が一緒にいるために。

クレイベルさんの話をナータがダグにも伝えます。
娘をこき使っていると思っていた父親が、本当は娘と一緒にいるためにそうしていたと知って言葉を失います。

また場所が変わって、今度はフェルリさんの実家の中のようです。
フェルリさんの２人の姉も、本当は末の妹をとても可愛がっているようですが、デレルの姉であるフェルリさんの伯母はフェルリさんのことをかなり疎ましく思っているようです。
けれどデレルは❝知恵の竜❞の竜術士。
どうすればフェルリさんを自分の娘のまま竜術士にできるのか調べ、何度も視察と称して北の辺境へ出かけた。そして、ダグを見つけた。
旅の月の力を持った、ダグを。
すると突然、ダグの頭上に月が現れました。
それは眠る月の精霊の幻影。
ダグの中にある旅の月の気配に反応して出て来たようです。
そして、フェルリさんに月の力が宿り、彼女は竜王竜術士になった。

ちょっと現実に戻ってコーナ。
彼女はねぼけている時のことはよく覚えてないし、月の術資質というものをどうやって与えているかは実は分からないと言います。
たぶんイルベックもそうだ、と。

再び夢の中。
フェルリさんはダグにありがとうと言います。
あなたのおかげで私は竜術士になれた、と。
あなたのおかげで家族と引き離されずにすんだ、と。
けれどそのためにダグは家族と引き離され、こんな所に連れて来られてしまった。
そう言って涙するフェルリさんに、ダグは俺はいつか必ず帰るからいいんだと返します。
そんな彼の言葉に、フェルリさんはあの頃にこうしていれば良かったのかしら、といつの間にか元の大人の姿に戻っています。
この夢の中では子供の姿のまま分かり合えたけれど、実際には大人になるまでずっとすれ違っていたみたいですね。
そしていつの間にか、ダグの周りに見えていた黒いモヤモヤが消えていました。
ダグの望みとは仲直りだったのかと、ナータがほっとしたのも一瞬。
消えたと思った黒いモヤモヤが一気に襲い掛かり、気づいたナータがフェルリさんを突き飛ばしますが、ダグとナータは呑み込まれてしまいました！！
外にいる子竜たちにもナータの姿が見えなくなり、みんな大パニック…！！
けれどコーナが大丈夫です、と。
ナータはマシェルが捕まえてました。
マシェルも子供の姿ですが、フェルリさんを見て夢の中ならできるんじゃないかと思ってやってみただけだそうです。
マシェルが語り掛け、子竜たちも落ち着いてもう一度術をやってみるとマシェルたちの姿を確認。暗竜術の苦手なサータは声しか聞こえないようですが、とりあえず一安心。
大丈夫そうだということで、カシがシィの話を聞いてくれと言ってきました。
何か手がかりが見つかったのでしょうか…？

しかし、夢の中は大変なことに。
デレルが娘を竜王竜術士にしたことで、周囲の人々の妬む声が次々に上がります。
コーセルテルの、良い人々しか知らないナータにとってはちょっとした衝撃のようです。
マシェルはあれも人間（ひと）、と少し悲しそうとういか、諦め半分って感じですかね。

そういった人々の妬みや嫉みの中、青年の姿のものすごく不機嫌そうなダグに話し掛ける人物が１人。
「わずらわしいものだな。竜術士も、それの身内というだけで竜の恩恵にあずかりながら不平ばかり言う輩も。なぜ人間（ひと）はこんなになってしまったのか……」
と、ダグに同情でもしているのかと思いきや。
「すべては竜のせい。すべて、竜が悪い」
そう言って良からぬ笑みを浮かべる謎の男。
風貌からすると、エレさんの一族の先祖っぽい感じですが。
竜都を滅ぼしたのはダグということになっていますが、黒幕ってことですかね。

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