ついにヴィアンカがコーセルテルへやって来る当日になりました。
彼女を出迎える準備万端の地竜家ですが、そこには地竜の里からノーセと、
守長であるトウレンが来ています。
前回ミリュウさんが言っていた通り、トウレンはとても頑固な人のようで、ヴィアンカについてあれこれと難癖をつけています。
ノーセが必死に説得し、マシェルも旅の月がヴィアンカをとても信頼し、悪い人ではないことを告げますが、何を言っても揚げ足を取るように言い返してきます;;
そんな守長に対して、ユイシィもキレる寸前です;;
やっとランバルスさんとヴィアンカを会わせてあげられるのに、
それを邪魔するなら守長でも許さない、と。
けれど少し離れた場所でヴィアンカを待つランバルスさんは、守長の心配は大した問題じゃないと思っています。
問題なのは、ヴィアンカがランバルスさんのことを許してくれるかどうかの方。
そもそも許してくれなかったら計画はすべて台無しだし、何よりヴィアンカの記憶を消さなければなりませんもんね;;
不安が残るままですが、それ以上考える暇もなく、ミリュウさんがヴィアンカを連れて来ました。
ヴィアンカ、良家のご令嬢といった感じのちゃんとした格好をしています。
にっこり微笑んだ表情は可愛くて、みんな一目でヴィアンカのことを気に入った様子です。
ただ、とても10代とは思えない貫禄が(苦笑)
ご令嬢というより、ご婦人といった方がしっくりくる…なんて言ったら怒られますね(笑)
ヴィアンカの笑顔から彼女も心からコーセルテルに来られたことを喜んでいる――と思ったのはわずか一瞬。
彼女は突然ランバルスさんに剣で
斬りかかりました!!><当然、みんな青い顔をして、ユイシィたちが思わず駆け寄ろうとしますが、それを止めたのはトウレンでした。しかも大丈夫だと言います。
これはヴィアンカを追い返すチャンスだと思ったのではなく、彼女がランバルスさんを試していることを見抜いたから。
そしてランバルスさんは、攻撃してくるヴィアンカに対し、待ってくれと木剣で彼女の剣を受け止めました。
するとヴィアンカは剣を納め、良かったと呟きます。
ランバルスというのは、彼が嫌っていた祖父の名前。それを名乗っているなら今でも絶望の中にいるのではないかと心配していたけれど――
「私の剣を止めて下さった……。生きる力を取り戻しておられる、本当に良かった」生きていて良かった。また会えて良かった。
そういうヴィアンカの瞳には涙が溢れています。本当に良かったですね…!!
だけどヴィアンカ、ランバルスさんが彼女の父親だということはミリュウさんからは聞いていなかったようです。
ミリュウさんはいい加減なように見えて、コーセルテルのことを外に漏らさないようにすることに関してはかなり慎重ですもんね。竜の血を引いてるし、父親のことがあるし。
ところでヴィアンカ、エトワスたちと旅をしていた時は男っぽくしゃべっていたのに、今はモーリンさんみたいにおしとやかな感じのしゃべり方です。どっちが素なんだろう…^^;
っていうか……守長!?
トウレンの、ヴィアンカを見つめる表情が、ちょっと…!?彼女のことを認めたどころの感情じゃないような…!?
ヴィアンカがユイシィたちの元までやって来て、改めて挨拶。
「はじめまして、グランレイック・ランバルスの娘、ヴィアンカ・リオティールです」とあっさりランバルスさんの本名をバラしてますが。
そしてユイシィが最初に名乗ると、ヴィアンカはロービィとリドとクレットの名前を言い当てます。
どれもウィンシーダさんが好きだった著名人の名前で、特にユイシィは彼女が竜学者になるきっかけになった人だとか。
楽しそうに話すヴィアンカに、ロービィたち3人は感心していますが、ユイシィだけは少し寂しそうな表情です。
そりゃ、ランバルスさんのことが好きなユイシィにとってはちょっとショックですよね。自分の名前が、彼の奥さんの好きな作家の名前だったなんて…。
マシェルはミリュウさんにおつかれさまと声を掛けます。
思わぬ自体に苦笑するマシェルに、ミリュウさんはヴィアンカのことを
「おもしろい人――でしょ」と言います。
マシェルは単純にそうですねと頷いていますが、そばにいたナータはいつもと雰囲気が違うことを、やはりそばにいたロービィは別の感情が含まれていることまで気づいた様子です。
だってミリュウさんの表情、いつもと明らかに違う!!
自覚してるのかしてないのかは判断できないけど、
確実に恋愛感情が入ってるよ!!><すっかり話が盛り上がってるヴィアンカと地竜たちですが、トウレンが今日のうちに里へ戻らなければならないから先に自分の話を聞いてもらおうと会話を止めます。
ユイシィがまだ反対する気なのかと、ヴィアンカを庇うように前に立ちますが、ヴィアンカは守長とは竜を守る長ということですかと確認し、
「ならば人をうたがう事も仕事のひとつですね」と言ってにっこりと微笑みました。
人を厳しく疑うのも、多くを守る者の務め。わかりますわ、とヴィアンカに共感され、トウレン、真っ赤になります。
そしてもうヴィアンカに対する態度が180度反転してますwww
え、何? マジで惚れたの?
しかもそこでミリュウさんが、一度家に帰るけど日暮れ前に迎えに来るよとヴィアンカに告げます。
何その2人が話してるのが気に食わない的なタイミング!!
ヴィアンカミリュウさんの知人として来たので、風竜家に泊まることになっているようですが、ランバルスさんも部屋を用意しているからと引き止めますが――
「お父様、私――…お父様が元気で生きていて下さってうれしいし、会えて本当に良かったと思ってますが、置き去りにした事は、許してませんから」ヴィアンカのその言葉に、ランバルスさんも、地竜たちも、血の気が引く思いです;;
大障害と思っていた守長の心をあっさりつかんで、風竜術士ともすっかり仲良し、そして師匠まで手玉にとって……ヴィアンカが本当はどんな人なのか、ユイシィでなくとも不安になります;;
イルベックの時のヴィーカは本当に良い人だったと思うのですが、これだけ色々やらかされると、あれらも本当はすべて演技だったんじゃないかと疑ってしまうのも無理はない話ですよ;;
今の段階ではヴィアンカが悪女にしか見えない…;;
きっとわざとそういう演出をしているのだろうとは思っていますけど…!
ランバルスさんのことを許せないのは、仕方ないことだとは思いますが。これは時間をかけて溝を埋めて行くしかないですよ;;
そしてこのヴィアンカが、今後コーセルテルにどんな影響を与えていくのか…楽しみよりちょっとだけ不安の方が大きいな…。
特にミリュウさんとの関係。さらに言うとミリュウさんとエレさん、エレさんとカディオさんの関係に確実に変化が起こるでしょうから…。
あと、ユイシィがランバルスさんに恋していると知ったらどうするのかな、とか…。
あああああ、続きが気になるけど次回が来るのが恐い……。
コーセルテルだから大丈夫だとは思いますけど、心臓に悪い展開は勘弁してくださいよ~?