「コーセルテルの竜術士」シリーズの感想と、たまに二次創作小説を書いています。
他の漫画やアニメの話もしますので、色々ネタバレ注意です!
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シブに銀オフの過去作投稿してきました。少ないですけど^^;
そしてここに書きかけの凰玲を置いていきます。
私、銀オフでは翔エリと凰紗と虎玲が本命なんですけど、みんな可愛いせいで初期の頃はCPがブレまくり……というか、どの組み合わせでもおいしく頂けていたので!
ちなみにBLもふつーに読んでた。それくらい三つ子が好きすぎていた……!
(暑い……)
頭がクラクラする、と玲華は思った。
足を止め、膝の上に手をついて額の汗を拭う。
それから目を細めて空を見上げた。
眩しいくらいの青空と、容赦なく照りつける陽射しが疎ましい。
(気持ち悪い……)
ハァ、ハァ、と肩で息をしながら、お腹の辺りを押さえた。
目が回りそうなのは何度拭っても後から後から流れ出てくる汗のせいだけではない。
けれど音を上げるわけにはいかなかった。
他のみんなだって暑くて辛いはずなのに、声を出して走り回って、いつもと同じ練習をこなしている。
経験も技術もみんなより劣る自分だけが休みたいなどと言えるわけがない。
早くみんなに追いつきたい。
そのためには、みんなよりも多く練習しなければ――。
そう思い、玲華は再び走り出そうと足を踏み出す。
(――あれ?)
ぐらり、と視界が回った。
直後、エリカや翔の叫ぶような声が聞こえた気がしたが、もう玲華の耳はそれを聞き取ることができなかった。
「貧血だな、多分」
玲華の額に触れて熱を計ったり、脈拍を計ったりして言った花島の言葉に、とりあえず熱中症ではないことに安堵して、玲華のすぐ横に膝をついて心配そうにしていたエリカはホッと胸を撫で下ろした。
その隣で覗き込んでいた翔も「良かった~!」と呟きにしては大きな声で言って安堵を示すように胸に手を置く。
他のメンバーたちも安堵の息をついて肩の力を抜いた。
「エリカ、タオルを濡らして来てくれ。凰壮は玲華を運ぶのを手伝え。他は練習に戻ってろ」
花島の指示にエリカはすぐに水道の方へと飛んで行き、翔たちは玲華を心配そうに見つめながらもしてやれることがないと分かっているので元いた位置に戻って行く。
凰壮が残されたのは他でもない、子供たちの中で最も体格が良いからだ。
虎太や竜持もそれほど体格差はないのだが、筋力は凰壮の方が上回っていることを花島は見抜いていた。
もっとも、チームに入ったばかりだった頃の太っていた玲華ならともかく、すっかり痩せてエリカよりも細いくらいになった今の彼女であれば誰であっても運ぶのに苦労はしないだろう。
だから花島が凰壮を指名したのは、単に以前玲華が倒れた時に運ぶのを手伝ってくれたのが彼だったというだけの話だ。
玲華が貧血で倒れたのは、今回で2度目なのだ。
「コーチ」
花島が脈を計っていた玲華の手をその場に置くと、凰壮が声を掛けた。
玲華をじっと見つめて何か考えるような表情を見せた後、
「オレ、多分一人で運べると思う」
凰壮はそう言うと花島をどかし、玲華の肩と膝の裏へ手を潜らせた。
まるでスポーツバッグを持ち上げるかのような滑らかな動作で、凰壮は彼女をひょいと抱き上げる。
「ほらね」
振り向いてフフンと得意げに笑った凰壮に、花島は思わず小さく吹いた。
「じゃあ、向こうの日陰になってるベンチまで連れて行ってやってくれ。オレは氷をもらってくるから」
言いながらすでに走り出した花島に頷き、凰壮はベンチへと向かう。
玲華の顔を見れば、血の気が引いて真っ白だった。
(こいつ、ちゃんと食ってんのか?)
玲華がチームに入った時、彼女はかなり太っていた。
ぽっちゃりなんて可愛いものではなく、まるで関取のような立ち姿だったのだ。
それから数ヶ月。
玲華はすっかり痩せ、出会った頃とは完全に別人だった。
しかし、痩せすぎなのではないかと凰壮は少し心配になる。
腕の中にいる玲華が、あまりにも軽かったからだ。
一人で運べそうだと思ったのは確かだが、予想以上に軽い。
いくら凰壮が小学生にしては体格がいいとはいえ、同い年の女の子をこうも簡単に持ち上げられるものなのか――。
(ダイエット、ねぇ?)
彼女がチームに入った目的がダイエットだったのは、本当に最初の数日のうちだけだったと、凰壮はちゃんと知っている。
チームメイトとして認めて欲しいと虎太に勝負を挑んだ玲華のあの真剣な眼差しは、今でもよく覚えていた。
そしてその決意が紛れもなく本物だったと、今の玲華を見れば分かる。
彼女は努力したのだ。
ダイエットのためではなく、サッカーが上手くなるために。
結果的にそれがダイエットになり、玲華は今の体型になったのだ。
(サッカーやってるだけでこんなに痩せるんなら、翔は今頃ペラペラの紙みてーになってんぞ)
翔はまだ成長期には入っていないらしくエリカよりも身長は低いが、筋肉のつき方は彼女よりもしっかりしていた。
だからチームの中で誰よりもサッカーが好きであろう翔の体重は、チーム再生時よりもあるはずだ。
その証拠に、体格で勝る相手にぶつかられても吹っ飛ばされることが少なくなっている。
逆に玲華は、最初の頃はタックルして来た相手の方が跳ね返されていたのに、彼女が痩せれば痩せるほど、吹っ飛ばされることが多くなった。
体が触れれば玲華が勝つことは、まずない。
(……前の方が役に立ってたかも)
凰壮は玲華をベンチの上に寝かせた。
真っ白な顔は辛そうに目を閉じていて、額に張り付いた前髪を除けてやろうと触れれば、汗でびっしょりなのにその額は冷たくなっている。
「――なんてな」
玲華の顔を真上から覗き込み、凰壮はフッと微笑んだ。
太っていた時の方が壁としては機能していたが、痩せて小回りが利くようになった今の方が彼女の本領は発揮できている。
玲華はボールの来る位置が何となく分かるらしい。
だから敵だけでなく味方にとっても予想外のポジショニングをしていることがよくあるのだ。
そしてそれが、ピンチの時はチャンスに、チャンスの時は絶好のチャンスになる。
翔のように広くはないが、他の者とは違うその視野を、役に立たないとは思わない。
玲華の技術はまだまだだが、一生懸命に頑張る姿に、否定の余地はあるはずもなかった。
「だから、飯はちゃんと食えよ」
白い玲華の額を、凰壮は軽く指で弾いた。
(――何か、気持ちいい……)
額にひんやりとした心地の良さを感じ、玲華はすぅっと目を開けた。
木の葉の間から柔らかな陽射しが零れている。
(あれ、私、何してたんだっけ……)
まだ頭がぼんやりとしてはっきりしない。
とりあえずどうして額がひんやりしているのかと手を伸ばし――
「お、気がついた?」
足元の方から声がして、玲華は目を向けた。
自分の足の向こうに、凰壮がいる。
「凰壮……くん……?」
目を開けたばかりだからか少しぼやけた視界の中で、微笑う瞳がこちらを見ていた。
「大丈夫か? お前、練習中に貧血で倒れたんだぜ」
***
多分、最初の方の一文で察しの良い方はお分かりだと思いますが、生理ネタでした。
その辺に行きつく前に力尽きていますけど^^;
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