コーセルテル ４８話

「マシェルの思い出」　（ゼロサム６月号）



珍しくマシェルが主役をしている…（苦笑）
※コーセルテルの主人公はマシェルです。

今月は巻頭カラーです！
ドラマＣＤ第２弾の誌上販売も開始！
見開きの扉絵が母の日っぽい感じ…（苦笑）

マシェルは夢を見ました。
とても、とても小さい頃の夢。
誰か男の人と女の人に囲まれて眠っている自分の夢。
けれど、その人たちの顔が分からない――。

それが気になり、朝からマシェルはずっとぼーっとしてしまっていて、子竜たちにも心配されてしまいます。
マシェルは何でもないと言いますが、階段を踏み外して転び、気絶してしまいました…！
ちょうど、元々来る予定だったランバルスさんが来てくれましたが。

部屋に運ばれたマシェルは、野菜のお化けに追いかけられる恐い夢を見たせいでぼーっとしてしまっていたと嘘をつきますが、ナータ以外はそれを信じ、やはり嘘だと見抜いたランバルスさんが、香りのいい明るい色の花を枕元に置いて眠ると恐い夢を見なくなると子竜たちに教え、子竜たちはさっそく地下へ花を取りに行きます。
ナータも自分たちがいるとマシェルが弱音を吐けないことを知っていて、一緒に行きました。
２人きりになり、マシェルはランバルスさんに夢のことを話します。
お母さんや、おばさんたちが亡くなった頃のことを思い出してしまった、と。
そして、彼女たちの顔を思い出せない――。
するとランバルスさんが、マシェルの家族のことについて訊ねてきました。
それにマシェルが答えていると、思い出せなかった母親たちの顔が次々に浮かんできます。
忘れていたことでも、話しているうちに思い出すのはよくあること。
それが、大事なことならなおさら。
なくしてしまった人たちのことを話すのは、悲しいことも思い出してしまうから難しいけれど、忘れてしまうよりずっといい。
そう言うランバルスさんの言葉は、彼の背景を知っているから余計に沁みますね…。
いや、コーセルテルにいる竜術士ってほとんど家族のいない人ばっかりですけど；

マシェルがそんな夢を見たきっかけは多分、「最後までコーセルテルにはいない」とクルヤに言ったこと。
子竜たちの成長を見届けた後のことを考えた時に、コーセルテルに来たばかりの頃のことを思い出し、それより前のことも思い出した。
でも、マシェルの父親はマシェルが生まれる前に亡くなっている。
だから、夢に出て来た男の人が誰だか分からないと言うマシェルに、ランバルスさんはやっぱりおやじさんだろう、と。
会ったことがなくても、母親に聞いた話で心に描いた父親がいるはず。
見たことがなくても、マシェルは父親が大きくてたくましい人だったと知っている。
ランバルスさんは今日は、マシェルが途中で帰ってしまった昨日の木竜家での寄り合いのことを伝えに来たのですが、今日は子竜たちにも両親の話を聞かせて思い出せ、それも親孝行だと言って帰ることに。
そこへ花を摘んだ子竜たちが戻ってきました。
ナータもちゃんと花を持ってます。マシェルの好きな花なんだって。
ランバルスさんはナータに本当におもしろいくらいマシェル想いだなと言って褒めて、でもあまり心配するとかえって何も話せなくなるからただじっと聞いてやるのも大事だぞとアドバイス（笑）
ナータが持って来たマシェルの好きな花は、マシェルが小さい頃に少しだけ住んでいた家の周りにいっぱいあった花。
それをきっかけにマシェルは子竜たちに小さい頃のことを語り始めました。

ちなみに、マシェルの計画はどうやらランバルスさんには何となくバレているようですが、きっと他の竜術士にも何となくバレているんでしょうね…。