幼い頃、精霊術士になるために旅の一座を離れることになった時のことを思い出すクレリア。
みんなと離れたくなくて泣くクレリアをなだめるお姉さん。
本当のお姉さんではないでしょうが、クレリアにとってはそれくらい慕っていて大好きな人だったようです。
立派な術士になってお姉ちゃんの所へ帰る。
それがクレリアが立派な術士にこだわる理由のようです。
さて、本編に戻って。
ヴィーカは最初の街を出てからずっとクレリアの追っ手に気づいていたようですが、クレリアとエトワスはまったく気づいてなかったので驚いています。
そしておそらく自分達がマドリム渓谷へ行こうとしているのもバレていて、クレリアを悪者にして月の精霊を取り上げる準備もできているかもしれない。
そう言ったヴィーカにクレリアは
精霊術士会から除名されてしまったのかと心配します。
ヴィーカにもそこまでは分からないけれど、覚悟はしておいた方がいい、と。
けれどエトワスは、立派な精霊術士になるために頑張っているクレリアが、金にもならない面倒なだけの仕事を引き受けたあげくに精霊術士をやめさせられるなんて許せるか、と怒ります。
自分の心配をしてくれたエトワスに、クレリアは少し嬉しくなったようですが、自分が名乗り出ると言ったエトワスの言葉にはすぐにダメですと反論。
クレリアはエトワスを眠る月の所へ連れて行くよう依頼された。それを保身のために投げ出すようなことはできない。そしてそれをやるとクレリアがいた一座の座訓に背くことになり、立派な精霊術士にならないよりよっぽど一座に帰れなくなる、と。
「一座の座訓…“どんな芸(しごと)も力いっぱいがんばること”、“応援には芸(しごと)で応えること”、“ひとを幸せにする事で幸せになろう”」座訓を口にし、クレリアは除名されるかどうかは仕事が終わってからにします、と。
そしてエトワスに向かって
「エトワスさんの応援があれば、私はがんばれますっ」と微笑みました。クレリアはホントに良い子だなぁ。
けれどヴィーカが、
除名されずにすむ手立てがあるかもしれないと言いました。
そのためにも今の事態をもう少し詳しく知りたいと、外にいる追っ手を捕まえることに。
宿の屋根に降り立つ1つの人影。ミリュウさん!? なぜ彼がここに…!?
宿のそばにいる精霊術士たちに気づき、様子を見ています。
外にいる追っ手の2人はレナーテの所で盗み聞きしていた術士の弟子のようです。そしてクレリアのことを伝えたのは宿のボーイさんだったようです。
でもボーイさんはヴィーカの見せた身分証が本物だったから間違いだったらどうするんだと心配しています。
カルヘーツ帝国の名家…やっぱりヴィーカの正体ってあの人の…?
3人がクレリアをどう捕まえようかと話し合っていると、何とクレリアが、
宿の3階から飛び降りた!? しかもキレイな着地。さすが旅芸人一座にいただけのことはありますね。
そして走って行くクレリアを3人は追います。
これはヴィーカの作戦で、クレリアに町中を逃げ回ってもらい、追っ手たちが疲れた頃に町の入り口の林までおびき出し、そこでヴィーカとエトワスが待ち構えて捕まえる。
なのでクレリアと追っ手が行った後に、ヴィーカとエトワスも先回りするために出て行きます。
またヴィーカは男の姿に戻っていますが…。
クレリアを一人で行かせて大丈夫なのかと心配するエトワスに、ヴィーカはエトワスが一緒に行っても足手まといだろとはっきり言います(笑)
ショックを受けるエトワスですが、そんな彼の様子を見てヴィーカが
「君は本当にクレリアが大好きなんだね」と笑います。
エトワスは指摘されて驚いてますが……自覚してるんじゃなかったの??
だけどヴィーカが私がクレリアをもらっちゃおうかなと言うとダメだとちゃんと否定しています(笑)
で、結局ヴィーカが男なのか女なのか、やっぱりよく分かりません…^^;
そして逃げているクレリアの方ですが、彼女を追っている3人がへとへとになってきたのでそろそろ町の入り口へ向かおうとしたところ、クレリアの前に剣を持った人たちが立ち塞がりました。
同行を願うと言葉は丁寧ですが、剣を構えようとしているので穏やかではありません。
町の入り口では、いつまで経ってもクレリアが来ないので、エトワスが何かあったに決まっていると助けに行こうとしますが、それをヴィーカが止めます。
エトワスが行っても足手まとい――だけでなく、ヴィーカは
他にも追っ手がいるということをうっかり失念していたとエトワスに謝ります。
その別の追っ手もこの町に来ていて、クレリアを見つけていたのだとしたら――。
ヴィーカの言葉に、尚更早く助けに行かないとと焦るエトワスですが、ヴィーカは君は行っちゃいけないとエトワスを止めます。
手配されているのはクレリアだけで、エトワスは手配されていない。
だから、
エトワスが月の精霊だということはまだ知られていないのかもしれない。
クレリアが除名されない手立てはそこにあると思うので、エトワスは追っ手にはなるべく会わない方がいいし、まして月の力なんて見せてはいけないと言うヴィーカ。
まだクレリアが追っ手に捕まったと決まったわけではないので、クレリアと入れ違ってはいけないと、ヴィーカはエトワスにその場に残るように告げて、自分はクレリアを探しに町へ戻ります。
1人になり、何もできないと肩を落とすエトワス。月の精霊に戻れば何かできるかもしれないが、それはエトワスの死であり、クレリアはそれを望まない。
月の精霊としてではなく自分にできる事はないかエトワスが考えていると、頭上から声が。
「月の精霊は精霊の中で最高位の精霊だよ。それだけでも十分できる事はあるのに。君は何も知らないんだね。君の保護者は育て方をまちがった」そう言って木の上に立っていたのはミリュウさんです。
エトワスの保護者、つまりクルルはエトワスを“人間”として育てたいあまりに“精霊”として大切なことを教えなかった。だから今になってややこしいことになっている。それに、ミリュウの顔を見て誰だか分からない=エカテリーナさんに会っていないのもおかしい、と。
クルルはエカテリーナさんに手助けを頼んだけれど、エカテリーナさんは行けないからとミリュウさんに代わりを頼んだらしいです。
クルルに対して文句を言っていたはずのミリュウさんは、いつの間にかエカテリーナさんへの文句に変わっています(笑)
ミリュウさんは
“竜”の力を持った“人間(ひと)”だから、
“精霊”の力を持った“人間(ひと)”のエトワスに、人間(ひと)のままで術を使う方法を教えて欲しいと頼まれたそうです。
親が過保護すぎると子供は何もできなくなってしまうってことですね(苦笑)
ヴィーカは最初に宿の前にいた追っ手たちを見つけます。
彼らが話しているのを隠れて聞いていると、
“狩り術士”というのがクレリアを狙っていた別の追っ手のようです。
“狩り術士”というのは普段精霊を狩る仕事をしているが、たまに剣で人を脅して術士から精霊を狩る事もある。上流術士の元で仕事をしているため、上に守られているので強行手段を取っても表沙汰にはならない。最悪、殺される可能性もあるってこと…!?
クレリアは森へ逃げ込んだらしいですが、最初に追っていた彼らも逃げて欲しいと思っているくらい危険な相手のようです;
話を聞いたヴィーカは、クレリアを探しに森の中へ走ります。
そして森の中には、クレリアの靴が片方だけ残されて――!?
クレリアは捕まってしまったのか!? それとも靴は脱げたけど逃げ切れたのか!?
ヴィーカもエトワスも急げー!!><