コーセルテル 子竜物語 ６７話

「あの子の名前」　（ゼロサム１２月号）

今月はセンターカラーです。

みんなで勉強中のマシェルの子竜たち。
タータが勉強が終わったらリンテの所へ行こうと提案します。
リンテにできた精霊の友達はまだタータとマータしか会っていませんが、何の精霊か分からない。
本人が名前も分からないというので、眠りすぎて忘れているなら思い出す手伝いができないかなと言うタータ。
もちろんみんなは賛成だけど、ナータは水竜家で寄り合いがあるから行かないそうです。相変わらずマシェルのそばは離れたくないんですね。

リンテの家へ向かう道中、タータはリンテの友達の精霊は大地に属する精霊かなと思ったけど、マータは光の精霊の仲間に見えた、とみんなに説明します。
大地と光ではかなり種が違うため、アータは怪訝そうな顔。
そしてリンテの家の前に着くと、訪ねるまでもなくリンテとその友達の精霊は外に出ていました。
通りかかったニアキス族の人と楽しげに話しています。
子竜たちに気が付いて振り返ったその精霊の姿を見て、ハータは水の精霊、アータは大気の精霊の仲間、サータは木竜みたいと全員バラバラの意見。
子竜たちの驚く声にニアキス族の人も気づき、長居してしまったなと畑仕事に戻って行きました。
リンテの家の前には大きな丸太で作った腰掛けが置かれていて、そこにニアキス族の人たちは座っていました。
謎の精霊が、ここにイスを置いたら通る人が休んであの家を見てくれる、お茶を出せばお話ができると思って、と言います。
他の子竜たちは単純にそのことをすごいと喜びますが、アータだけはあんなに大きな丸太をどうやってここに運んだのかと疑問に思います。地竜でもない限り、１人で運ぶなんてことはできないはず。まさかあの子が自分で運んだなんて事は――。
そんなアータの心の叫びには誰も気づかず、マータが謎の精霊に今日はゆっくりいっぱいお話ししようと言うと、謎の精霊は嬉しそうにしながらもくたくたになって倒れないかとみんなのことを心配します。
それに対して、話したくらいでくたくたになるなんてナータくらいだと笑って返しますが、自分で言ってから前にナータがそんなことを言っていたなと思い出します。
そしてタータも家に入る前に、丸太の上にちょうどいい木陰を作っている木があることに気づきます。前にはあんな木はなかったはず、と。
みんなが少なからず疑問を抱く中、これまで全然発言していないカータは何やら思い当たる節があるようで、みんなに言うべきがどうか迷っている様子。普段のカータだったら仲良くなろうともっと積極的に話し掛けますものね。

そして家の中に入り、前よりも素敵になった室内の様子にマータはとても嬉しそうです。
お茶を淹れるために竜術で水を用意しようとすると、謎の精霊にありますと言われます。ここから泉は遠いはずなのに、大きな水瓶が置かれていました。
そしてハータがお湯を沸かすよと言う前に、謎の精霊はポットの水をお湯へと変化させました。
どうやったのかと驚くみんなに、謎の精霊はここにある道具を使わせてもらいましたと、竜術の術道具を見せます。
サータやタータやマータが、毎回持ってくるのが面倒だとこっそり置いておいたようです＾＾；

しかし、いくら精霊でも竜術の術道具は普通は使えない。
いよいよ正体の怪しくなってきた彼女に、アータがあなたは何者なんですかと訊ねます。
何も思い出せないのかと強い口調で問い詰めるように訊きますが、謎の精霊は穏やかな表情のまま、忘れているわけじゃない、と答えます。でも、分からないのは本当だ、と。
「私の名であったものは、今は別のものの名称」
「守るべき所、司る場をはなれ…戻るつもりのないその名を名乗ってもいいのか――…ふわふわ夢の中をただよっていた時の名も、起きてしまっては何か…違う」
だから今はなんと名乗っていいのかわからない。
そんな彼女の話を聞き、カータがやっぱりと言います。
「君は、眠る月の精霊コーセルテル」
ええっ、とみんな一斉に色々と驚きますが、コーセルテルが自分たちの前に姿を現したこと自体にはあまり驚いていない感じです。
そして一番先に名前のことを心配する辺りが、子竜たちらしくもあり、ちょっと呑気な感じでもありますね（苦笑）
リンテの提案で、名前はみんなで考えることに。

そして子竜たちはリンテとコーセルテルを連れて家の戻り、マシェルとナータの帰りを待ちます。
帰って来たマシェルはすぐにコーセルテルだと気づき、驚かせようとした子竜たちはがっかり。
そしてコーセルテルは――
「私の名前はコーナ。起きた月の精霊、コーナです」

さて、マシェル一家はあっさりとコーナの存在を受け入れていますが、里の竜たちが知ったらどうなのでしょう？
イルベックとは分かりあえたのだし、起きているのだから寝ぼけて変なこともしないでしょうけど…。
でもやっぱり月の精霊の力を使われるのは恐いんじゃないかなと思うので。

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コーセルテル 子竜物語 ６６話

「ヴィアンカさんと武術訓練（後編）」　（ゼロサム１１月号）

ＣＤブックの感想まだ書いてなくて（ｒｙ
っていうかまたゼロサムが先月より薄くなってるんですけど！？

リリックに勝負を持ちかけるヴィーカから少し離れた所で、彼女のことをよく知らないロイとマリエルに、ヴィーカはちょっといじわるないたずらをする人だと説明するロービィ。
でも悪い人じゃないと言いつつ、ちょっと心配そうなロービィを見て、ロイはヴィーカのいたずらについて詳しく訊ねます。

リリックとヴィーカは勝負を始めようとしますが、そんな決闘まがいのことをしてまで話を聞きたいわけじゃないとエレさんが止めます。
ヴィーカはただの手合わせだと笑いますが、ロイが手合わせでもリリックに勝ち目がなさすぎると意見します。
ヴィーカの武勇伝はミリュウさんに聞いて知っている。ヴィーカが勝って当然の勝負なら、話も聞けないということ。
そしてロイは、話してくれる気があるならハンデをくださいと、合戦ごっこの要領でヴィーカ対子竜全員を提案。
ヴィーカはどこか安堵したように溜息をついてそれを承諾。
それとロイはヴィーカが勝った場合の褒賞も決めてください、と。片方だけが勝って得られるものがある勝負なんてハンデより不公平だから、と。
けれど欲しい物があるなら先に言って欲しい、と。言われて困るものだと困るから。
先のことまで頭の回っているロイに、ヴィーカはいい守長になりそうだと褒めます。
一族の守り手は剣の腕ばかり良ければいいってものじゃありませんものね。何か問題が起こった時、先のことまで考えて最悪の事態を回避すること、その方法を選択できる状況を作っておくことも大事です。
そしてヴィーカは森をざっくりと回って今いる場所へ戻って来るから、子竜たちにそれを剣と知恵を駆使して止めてみたまえと言います。
止められなければ子竜たちの負け、君たちの一番大切なものをもらおう、と。
そしてはじめという掛け声と共に走り出すヴィーカと、すぐにそれを追いかけるリリック。
ロイが作戦を考えるからと、他の子竜たちは待機です。

それから少しして、作戦会議の終わったロイたちはリリックたちを追います。
少しひらけた場所でリリックとヴィーカは剣を交えていましたが、ヴィーカはひょいひょいと簡単に避けてリリックは相手にされていない感じです。
すぐに作戦を開始しようとするグレイスを制して、ロイは少し様子を見たいと２人を見守ります。

リリックは助けてくれようとしているロイには悪いけど、エレさんのためにも自分が勝たなきゃダメなんだと、何時にも増して真剣です。
しかし得意の返し技もあっさりと破られ、逆に思いっきり背中に入れられてしまいます。
実力の差は歴然。
それでも諦める気配のないリリックに、ヴィーカはそんなに竜術士のお姉さんの話が聞きたいのかと訊ねます。
それに対し、リリックは「エレはお姉さんが大好きなんだ！！」と答えます。
本当は会いたいし、困っているなら助けたいと思っている。なのに竜術士になったからって竜たちのためにみんな諦めなきゃいけないなんてダメだ、と。
「人間の国の事とか立場とか事情とか、難しい事がいっぱいなのかもしれないけど、エレがお姉さんのために何かしたいならぼくはなんだって手伝うよ！！」
リリックの強い決意のこもった言葉に、ヴィーカはよく言ったとリリックの頭をぐしゃぐしゃと撫でました。
ヴィーカも話したい気持ちはあったのに、エレさんがあっさり引いてしまったので逆に困ったようです。

そしてロイもやっぱりな、と溜息をつきました。
ロービィやサータの話を聞いて、ヴィーカが意地の悪い言動をするのは何か問題提起をしている時だと思った。そして今日はたぶん、リリックに今の言葉を言わせたかった。
「何を聞いても、どんな事があっても、自分はエレさんの味方だって」
グレイスはそんなの当たり前じゃないと不思議そうですが、外から来たヴィーカにはそれが分からなくて当然ですからね。
逆に言うと、その決意を確かめなければならないほど、エレさんの抱える問題は大変だということ。
となると、自分も他人事じゃないと、ロイはリリックとヴィーカの元へ向かいます。エレさんが大変なら、うちの竜術士がほっとくわけない、と。
そしてロービィたちも出て行きました。
子竜たちの様子を見ながら、ヴィーカはレシーダと会った時のことを思い出します。
竜の研究をしているなら、いつか妹に会うかもしれない。もし会えたなら伝えてください。
「私はいずれイル・カレナスへ帰ります。その時はあなたもともに…と」

元の場所で待っていたエレさんとマリエル。
みんなの帰りが遅く、自分のせいであの子たちに何かあったらと、エレさんが不安を募らせているとようやくリリックたちが戻って来ました。
しかしみんなボロボロです。せっかくだからとロイの作戦をやってみたそうですが、やはり負けてしまったようです。
しかしリリックは笑顔でエレさんに駆け寄ります。
そしてお姉さんが元気なこと、子供たちも元気で、お姉さんもエレさんに会いたがっていると、ヴィーカかた聞いたことを伝えます。
それを聞き、エレさんは涙を流して喜び、ありがとうとリリックを抱き締めました。
そして、ヴィーカが改めてエレさんと話をしたいと、今度カディオさんも呼んで一緒に話を聞くことになったそうです。
それを聞いたエレさんはなんであの人、と怒りますが、むしろ照れている要素の方が強いです…。
難しい外の話だから確かにカディオさんが適任ですけどね。
ちなみにヴィーカは完敗だと言って笑って先に帰ったそうです。

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コーセルテル 子竜物語 ６５話

「ヴィアンカさんと武術訓練（前編）」　（ゼロサム１０月号）

ＣＤブックの感想まだ書いてなくてすみません；；
聴きはしたんですけども；；

ところで今月のゼロサムめっちゃ薄いんですけど！？
前号と比べて６０ページ以上少ない。。。

ランバルスさんとユイシィと一緒に調べ物をしていたヴィーカ。
ロービィが武術訓練に行くと聞き、しかも教えているのが女性と聞いて、おもしろそうだとついて行くことに。
本音は調べ物に飽きて、少しサボりたかったからのようですけど（苦笑）
ランバルスさんもそうだから、同じ事を言ってるとロービィに言われて、嬉しいというか気恥ずかしそうにヴィーカはコホンと咳をひとつ。
そして武術訓練を見に行くのは竜研究の一環だと言います。
強大な術の力でいくらでも他者を翻弄できる竜がわざわざ剣術を習うのが興味深いそうです。
あと、水竜術士にはまだ会ってない、と。
他の竜術士たちにはなんやかんやで行ったり、逆に来てくれたりしたけど、まだ水竜術士に会ってないからちょうどいい。
そして竜術士たちの話をしたことで、ヴィーカは彼らが訳ありで帰る場所のない人ばかりだなと、少し寂しそうに呟きます。
ランバルスさんは人の世に出れば縛り首確実の元盗賊だし、カディオさんは追放された上流精霊術士だし。
でもまさかフランテル氏までいるとはびっくりしたと、テイムさんのことを言います。話したことはなかったけど、宮廷で見たことがあるそうで。ヴィーカの方はいつもドレスだったから向こうには気づかれなかったようですが。
っていうか宮廷！？　と一瞬びっくりしてしまいましたが、考えてみたらヴィーカの実家は領主なんだからそれも当然なんですね。。。

そんな話をしながら歩いていたヴィーカとロービィの後ろから、リリックが声を掛けて来ました。
いつもだったらエレさんと一緒に先に行っているはずのリリックですが、まだ夏の精霊たちがピリピリしているから季節違いの精霊はしばらく外へ出ないよう、カシに伝えに行っていたそうです。
最初はロービィのことしか目に入っていなかったリリック、ヴィーカのことに気づくと誰かと驚き、ロービィにヴィーカだと言われると今度はランバルスさんの子は娘だと聞いていたのに息子だったのかと驚きます。
そんなリリックの反応に楽しそうに笑うヴィーカ。
「わざと間違われやすい格好をしているんだから間違えていいんだよ」と、むしろ嬉しそうです。確かに、こんなあからさまな反応をしていた人はいなかったかも…？
ロービィが武術訓練を受けている中ではリリックが一番強いと言うと、ヴィーカは腕前を見せてほしい、手合わせでも願おうかと楽しげです。
それを聞いたロービィ、ついででいいから自分にも稽古をつけてもらえないかと申し出ます。ランバルスさんは武術は全然教えてくれないから、と。真剣な眼差しのロービィに、ヴィーカは快諾。そうこうしているうちに、武術訓練場に到着しました。
他のみんなはもうそろっているようです。

そして、はじめましてとあいさつしてきたエレさんを見て、一瞬絶句するヴィーカ。思わず零れた「レシーダ」という言葉を、リリックは聞き逃しませんでした。
ヴィーカもエレさんにあいさつをすると、リリックが「エレのお姉さんを知ってるんですか！？」と訊きました。
そしてエレさんも、ヴィーカが名乗った「ヴィアンカ・リオティール」が、カルヘーツ帝国の最大の要所・リオティール領のことかと思い当たります。
ヴィーカは少し考えるも、隠すことではないので、自分はリオティール領の次期領主だと告げました。
そしてリリックが、レシーダさんのことを知っているなら教えてくださいと言います。エカテリーナさんでも行けない所に住んでるから様子がわからない、と。そりゃ、大帝国の皇帝の妃ともなれば、さすがのエカテリーナさんでも易々と入れる場所にはいないでしょうね；；
嬉々としているリリックに対し、ヴィーカはレシーダさんじゃなくてレシーダ様って言ったんだと訂正します。
そしてエレさんに向き直り、「でもあなたは水竜術士として名乗られた。あの方の身内と言うなら、正式な名を名乗っていただきたい」と言います。国状に関わる方の話を、軽々しく話すわけにはいかないから、と。
おわかりいただけますね、と念を押したヴィーカに対し、エレさんは「私は水竜術士のエレです」と微笑みました。
エレさんはこの話は終わりと言わんばかりに武術訓練を始めようとしますが、リリックが引き下がりません。
ヴィーカが秘密を守る事で国を守っているのは竜だけじゃないと正論。言っていることは分かるけど、納得ができないリリック。
そんなやり取りを見ておろおろしているロービィの肩を、ナータがぽんと叩きます。そしてナータが指差した先には、何やら企んでにやりと悪い笑みを浮かべているヴィーカの姿が（苦笑）
嫌な予感がしてドキドキするロービィに、サータも見たことあると珍しくちょっと心配そう（苦笑）

そしてヴィーカが、こうしようと提案します。
水竜術士さんの気持ちも、水竜くんの気持ちもよく分かる。
ぶっちゃけ話したところで、竜の国のように記憶を消されるわけでもないし。だから――
「勝負をしよう。その剣で私に勝てたら話をしてあげるよ。水竜術士の補佐竜くん」
ヴィーカさん、楽シソウデスネー。

リリックはこういう時は意外とすごい力を発揮するので、いい勝負というか、むしろヴィーカの方が翻弄されちゃったりするんじゃ…？
まだ勝負をすると決まったわけでもないですけどね。

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コーセルテル 子竜物語 ６４話

「マータとある日の夏模様」　（ゼロサム９月号）

ＣＤブックはゲットしましたが、まだ聴いていないので感想はまた後で。

今月はセンターカラー！
コーセルテルがセンターカラーの時って暗竜や火竜がメインの話の時が多いので、紺や赤系のことが多いですが、今回はマータがメインのため色味も水色！
夏らしい爽やかな感じです♪
ついでにアクタエオンのカラーは初めてでしたっけ…！？

いつもは穏やかな気候のコーセルテルですが、突然の暑さに襲われ、獣人たちが何人か倒れてしまったようで、マシェルはオルタに呼ばれて大慌てで村に向かうことに。
サータとハータは木竜家へ行ってカディオさんに暑さの対応策がないか聞き、アータとカータはフルーおばあさんの家に行ってカシが大丈夫そうなら夏の精霊を呼んでほしいと頼みに行くことに。
ナータはもちろんマシェルと一緒。
留守番はマータとタータですが、タータは暑さに弱い木竜。
暑さで倒れてしまったようで、ベッドの上です。マータが術道具を使って暗竜術との同調術で部屋を冷やしてくれてますが、それでも辛そうです。

タータが眠り、マータがふと窓の外を見ると、空にアクタエオンの姿を発見。
マータは屋上に上がってアクタエオンを呼び止め、タータや獣人たちが倒れてしまったこと、コーセルテルはあまり暑くしない約束があること、予定が変われば前もって教えてくれるはずのことを怒ります。
しかしアクタエオンは、今回のことは自分達にも想定外だと困った様子。
なんと、夏の大将と秋の団長が大喧嘩したそうです。
夏がいつまでも居座っているから、秋になる前に旅の月が帰ってしまったと、秋の団長が言いがかりをつけて夏の支配地に勝手に入ってこようとしているのを夏の大将が見つけてケンカ、その熱波がコーセルテルまで及んでしまったとか。
えっと、秋の団長……シーロキュムラス。以前、旅の月が来るという噂を聞いて、秋じゃないのにわざわざやってきたテンションの高い精霊ですね。
しかし、熱波はもう止まり、もう少ししたら大雨が降ると言うアクタエオン。
空渡りの精霊に頼んで雨雲を運んでもらっているので、一晩雨が降れば明日にはいつものコーセルテルに戻るそうです。
その言葉に、良かったと胸を撫で下ろすマータ。ずっと暑かったらどうしようかと思っていたと、心底ホッとした様子です。
上手になったと言ってもずっと同調術を続けるのは疲れちゃうし、と苦笑するマータに対し、アクタエオンは少し暗い表情になり――
「――マータさんも、夏は……嫌いですか？」
アクタエオンの問いかけにマータは少しきょとりとし、暑いのは嫌いとはっきり言います。
その言葉にショックを受けるアクタエオン。
しかし、でもね、と続けようとするマータですが、アクタエオンはその言葉を遮り、夏はもうすぐ終わるからもう暑くはならない、熱波の理由と雨の話を竜術士たちに知らる役目があると言って体ごと顔を背けて行こうとします。
「さよなら、マータさん」
顔を向けずにそう言った彼の目から涙が零れ落ちたのを見て、マータは一瞬あっけにとられ、しかしすぐにムッとした表情になり――
「待ちなさいっ！！」
そう言ってマータはアクタエオンに向かって飛――ぼうとしますが飛べず、落ちそうになった彼女をアクタエオンが受け止め、しかし驚いて腰を抜かしたのかフラフラと地面に落ちていきました。
そしてアクタエオンは深いため息を吐いた後、青ざめながら何で飛び降りたんですかとマータを怒ります。
しかしマータは顔色ひとつ変えずに、飛び降りたんじゃなくて飛んで追いかけようとしたんだと言い返します。
「だって、アクタエオンさんったら話の途中で帰っちゃうんだもん。しかも泣きながら」
いつもは虫さんとあだ名で呼ぶのにふいに名前を呼ばれ、瞠目するアクタエオン。
マータはそれに気づかず、暑いのは苦手だけど夏が嫌いなわけじゃないと、話の続きを始めます。
しかもマータ、飛ぶ練習はしているけどまだ飛べたことはないそうです。でも竜術は必要に迫られた時には使えてしまうことが多いのでチャレンジしちゃったそうです；；　マータ；；
以前カシが、マシェルに一番似てるのはマータだと言っていましたが、こういう無茶な所は確かに似てますね……そんな所は似なくていいんだよ？＾＾；
そんな思いつきと勢いで危ないことをしてはダメです、と再びマータを怒るアクタエオン。
けれどマータは「危なければアクタエオンさんが助けてくれる、って思ったから飛んだのよ」とさらりと……うーん、マータは男を弄ぶ才能がありそうだ（苦笑）
そしてとうの昔に（いや知り合ったのまだ最近だけどｗ）そのマータに翻弄させられているアクタエオン、「それです！！　俺の名前！！　覚えてくれてたんですか！？」と泣いて大喜びです。
もうこれはちょっと好意を抱いているどころじゃない。完全にベタ惚れですね～。いや、まぁ、そうなんだろうと思ってましたけど…。
当人たちには年齢なんて関係ないのでしょうけど、見た目が幼女と青年なので、読者的にはそこを押していいのかどうかっていう…。そもそも私はサーマー派ですし。
そしていい女が与えるのは飴ばかりではありません。
喜ぶアクタエオンにマータの小悪魔な囁き。
「マシェルとお話しに行くなら覚悟しておいてね。ものすごくものすごく、ものすごーーーく怒ってるから」
アクタエオンは、リリックに次ぐ受難キャラ決定ですかね（苦笑）

マータが部屋に戻るとタータが起きてました。
体調は少し良くなったようです。
アクタエオンが来ていた話をするマータ。
どこか楽しげなその様子は、まるで好きな人の話をしているよう。
タータがマータに、マータの好みはちょっと自信過剰でケンカ好きで意外に真面目でちゃんと約束は守る冷やっとした人じゃないの？と訊くと、マータはそれでカッコよくていざという時はスッと助けてくれる人かな、と付け足します。
さらに後に、間違ってもあわてん坊の泣き虫さんじゃないわね、と。
いや、それは逆にその人が気になってるって言ってるようなものですから！！
タータは、水竜家を見る限り、水竜は理想の人と好きになる人が真逆になることが多いかもと思っていたけど、マータはそうでもないのかな……と。
っていうか、その条件なら十分サータも当てはまるんですけど！？　ねっ！？
しかしアクタエオンがあまりにも純情すぎて、泣き顔がちょっと可愛かったー、なんて思ってる辺り、私も負けてる…（何にだ

ところで、最後のページ、マータの吹き出しが2ヶ所白くなって写植が抜けているようです。
おそらくどっちも「？」の一文字だけだと思いますけど。

コーセルテルの恋模様も少しざわついてきましたが、主人公・マシェルの春はいつになるやら…。
え？　子竜たちのことで手一杯だって？
知ってます（涙）

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コーセルテル 子竜物語 ６３話

「目指すところ」　（ゼロサム８月号）

一週間も遅刻ですみません；；
ダメだ、一度サボるとサボり癖が…；；

ドラマＣＤブックが今月発売だというのに、本誌の巻頭ページではまったくその記事がないってどういうこと…！？
コーセルテルの扉絵とその前のページにしか情報が載ってません；；

とりあえず、内容は子竜物語の１話＆２話と、石動先生の描き下ろしだそうです。
だから最近、ショートばかりだったんですね。ちなみに今月もショートです。
これまでに登場してないキャラの追加キャストでイフロフさんが一条和矢さん、ランバルスさんが高塚正也さんだとさらっと書かれてます。
え、この２人が出るのに、メオとユイシィは出ないの…？＾＾；
っていうか、子竜物語の１話と２話なら、出てくるのはフルーおばあさんとエントットたちってことでしょ？
準レギュラーが出きってないのに、準々レギュラーが出るのか…。

あと、コゼロサムに掲載された漫画もすべて収録されるそうです！
私はコゼロサムをゲットできていない人なので、これは嬉しいです＾＾

火竜家にハータが遊びに来ています。
おやつに出されたクッキーはヤチが作ったもので、とても幼竜が作ったとは思えないほど形がキレイです。
しかし、ヤチは陶芸やガラス細工は苦手なようで、それらはうまく形が作れません。
火竜だからといって誰もが工房仕事が好きなわけではないようです。
けれどヤチに術を教えるなら、工房仕事で教えた方がいいのかと悩むアグリナに、ハータが自分は台所の手伝いをしながら術を覚えたと言います。
鍋のスープをちょうどいい温かさにするのはすごく難しいそうです。
みんな家の手伝いからちょっとずつ術の練習をして、自分が好きなことができたら今度はそれで術の勉強をしていった。
そしてハータは、コーセルテルで一番料理上手の補佐竜はナータだと思う、と言います。
ナータは今でも家事で術練習をしているし、コーセルテルで一番の料理上手と言われているマシェルと同じものがたくさん作れるから。
それなら確かに一番だと納得するアグリナに、ヤチも一番という言葉に反応します。
一番はすごいと瞳を輝かせるヤチに、アグリナはお料理上手の補佐竜を目指してみる？と訊きます。
それに対し、ヤチは嬉しそうに頷きました。
でもアグリナもそこまで料理上手なわけではないので、マシェルに教わりに行くことに。
そしてマシェルの家では、ナータが面倒事の予感を察知しているのでした…（笑）

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