たんさんすいぶ TRACK.5

「陽春に生きる少女」　（イブニング１６号）

次号は巻頭カラー＆一挙２話掲載＆上条先生から残暑お見舞いが届く全サ有り！！

進太郎が楽譜を読めないことに騒然とする吹部のメンバーたち。
しかし楽譜を前に真っ白になっている進太郎とは反対に、サックスちゃんは楽譜を見てキラキラと瞳を輝かせ、「シンタロウ、ドンナキョク？　コワイノカ！？　タノシイノカ！？」と興味津々。
そんなサックスちゃんの様子を見て、進太郎は楽譜の読み方を教えてもらえませんかと頼みました。

それぞれの先輩たちに楽譜を読めるようになるというグッズをもらったり借りたりして、寮で楽譜を読む勉強をする進太郎。しかしどう見ても音楽とは関係のないグッズばかりのような…＾＾；
京作は、進太郎が入部して吹奏楽をやるつもりなら、今や日本を代表するサクソフォン奏者である幸太郎に教えてもらえばいいじゃないかと言いますが、進太郎は「入部はしない」と断言。
「オレはあいつのようになるつもりはない。入部もしないし………関係ない」
一体２人の間に何があったというのでしょうか…？
進太郎のただならぬ雰囲気に、京作はあんま根つめんなよと言って出て行きました。

譜読みの勉強中に寝てしまった進太郎は、小さい頃の夢を見ます。
すべての楽器が人の姿で見えていた進太郎は、楽器たちの声も今のサックスちゃんのようにカタコトではなく普通の話し言葉で聞こえていて、音の出し方も音階もすべて楽器たちから教わった。だから楽譜など見ずに演奏もできていた。
そんな進太郎に「お前に楽譜は必要ないな」と嬉しそうに微笑んでくれていた幸太郎。
しかし――「あいつさえ…進太郎さえいなきゃ…！！」
そう言ってサックスを床に叩きつけて破壊した幸太郎。…多分幸太郎。ここは顔を見せていません。
何があったのか分かりませんが、それを見た進太郎がものすごくショックを受けたのは言うまでもありません。

進太郎が目を覚ますと、サックスちゃんが楽譜を持って吹けとせがみます。
進太郎がダメと言い、サックスちゃんが吹けと言い、何度か押し問答した後、急にサックスちゃんがやる気を失くして敬語モード。そして自分でできると言って、棒でその辺の物を叩いて音を出し始めました。
しかし音が合っていなくて、進太郎も同じように叩いて正しい音を教えてやります。楽譜は読めなくても音は分かるんだ…。
でもサックスちゃんは上手くできなくてイライラし始め、進太郎がサックスを吹いて音を出してやります。するとサックスちゃんは楽しそうに笑い、進太郎も昔の、楽器たちと一緒に歌っていた時のことを思い出し、本人は無意識に近いですが演奏を始めました。
しかしそこへ寮の先輩たちがうるさいと抗議に来て、それを宥めながら京作が進太郎にやめろと言おうと部屋の扉を開けると――神秘的な森の水辺で切り株に腰掛ける金髪の美少女の姿。そんなイメージが広がりました。
しかも、進太郎も笑って演奏している――？
感動に奮える京作ですが、振り返った進太郎はいつも通り。先輩たちの怒声に場の雰囲気も台無しです。

そして吹部に行くと、楽譜が読めないのに演奏ができることに当然ながら驚かれます。
進太郎は吹部に入る気はないけど、京作が絶対入部しろと強く推します。
本居先輩は進太郎の入部は大歓迎だと言ってくれますが、團先輩は納得いかないと怒ってます。
「音聞いてたら吹けたっていうか……」と説明する進太郎に、ふざけんなと團先輩は怒りますが、芥川先輩は「……音を聞いたら吹けたの？」と確認。それって、と芥川先輩が続けようとしましたが、それを遮る声が。
「それは進太郎には楽器の声が聞こえるからだよ」
そう言って現れたのは幸太郎！？　なぜここに！？
そして進太郎と幸太郎の間に何があったのか明かされる――のか！？