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「コーセルテルの竜術士」シリーズの感想と、たまに二次創作小説を書いています。 他の漫画やアニメの話もしますので、色々ネタバレ注意です!
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「イル・カレナスの❝谷の花❞」 (ゼロサム8月号)

大遅刻すみません…!><
別に忙しかったわけではないのです。
ただ、毎晩寝落ちしていただけです…orz





花畑で花冠を作ってみせるクララ。
ラティもティルクも大喜びで、ラティは出来上がった花冠を欲しがりますが、クララは作り方を教えてあげるから自分で作ってみないかと言います。
2人とも喜んで作ると言ったので、クララが作った花冠は一緒に来ていたのに木にもたれ掛かって眠ってしまったエレさんの頭にそっと載せます。
花冠を被ったエレさんの姿に満足しながら、3人は新たな花冠を作るために再び花畑へ。
そしてエレさんは、花の香りに誘われ、昔のことを夢に見る――。

子供の頃、白の庭で花を摘んでいたエレさんは、知らない花を見つけてお姉さんに花の名を訊ねました。
そしてそれは❝谷の花❞だと教えられます。
昔、竜が造ったという伝説がある花。
竜がつけた名前があるだろうから、人が勝手に名をつけるのはやめようと、❝谷の花❞と呼ばれるようになった。
精霊術士はこの花には精霊がいないと言い、庭師もこの花を育てるのは人の手では難しい、と。
「人間(ひと)にも精霊術士にも従える事ができない花。自由にこの谷に…この谷だけにひっそり咲く花。私はこの花が、好きよ」
そう言ったレシーダ姫の表情はどこか暗く、エレさんは心配しますが、お母様もこの花が好きだと聞かされ、お見舞いに持って行ったら喜んでくれるかしらと、すぐに話題はそちらへ。
それは、2人の母親が病に伏してすぐの頃のこと。

それからしばらくして、レシーダ姫は次期女王として正式に擁立され、エレさんは姉から離され、将軍家へ送られた。
周りの大人たちはいつもレシーダさんとエレさんのどちらを王位につけるかでケンカしていたけど、エレさんはお姉さんが王様になると思っていたからレシーダさんが選ばれたことは嬉しかった。
それに行き先が将軍家なら、立派な女王になるであろう姉の役に立つために強くなれる。
――そう、思ったのに。
女王になったお姉さまは変わってしまった、とエレさんは涙を浮かべます。
なぜかひたすら悪政と愚策を繰り返し、国を疲弊させ、大国カルヘーツの侵攻まで許した。
そして――「カルヘーツの王は、とてもすてきな方よ」
まるでそれを待っていたかのような、レシーダさんの陰のある笑顔。
これまでのエレさんの回想ではレシーダさんはどこか弱々しく頼りない感じでしたが、今回のを見ると悪女です;;
そしてレシーダさんはエレさんに、カルヘーツに行くのが嫌ならどこへでも好きなところへ行きなさいと言います。私の邪魔をしないでちょうだい、と。
そう言われ、エレさんは泣きながらレシーダさんの元を去ります。
通り過ぎざまに、「――さようなら、❝谷の花❞」と言われて。
そしてエレさんは将軍に国境まで送られます。エレさんが無事に逃げることを息子もきっと願っていると、エレさんの亡くなった婚約者の父親である将軍に。

そしてエレさんは故郷を出て、いつしかコーセルテルへ辿り着いた。
そしてこの場所でまたあの花に出会った。
イル・カレナスの谷にしか咲かないはずの竜の花
最初にエレさんにその花を持ってきてくれたのがミリュウさんだった。
けれど、人にも精霊術士にも咲かせられないはずのその花を咲かせられるのは――。

そこでエレさんは目を覚まします。
目の前にあったのは、カディオさんの顔。
もちろん、エレさんは驚きます。
カディオさんも珍しく慌てています。
夢見が悪そうだったからどう起こそうか考えていたらエレさんが起きてしまったから。
カディオさんはキーニとカラナがロットたちがピクニックをした花畑に行きたいと言ったので、下の3人を連れて来た。
エレさんもクララが行きたいと言ったので同じく。
子竜たちは花畑で楽しそうに遊んでいますが、エレさんは自分に被せられていた花冠を少し寂しそうに見つめます。
この花の香りで昔のことを色々夢に見たのね、と。
❝谷の花❞とは全然違うのに、とエレさんが言っただけで、カディオさんはあの花はここにはないな、とそれが何の花か分かってます。
エレさんが女王でさえ知らなかった花の名前や由来も知ってそうね、と言うと、たしか竜都の時代に滝に住まう水竜のために作られた花で――と本当に知っているようで説明をしようとしてくれますが、エレさんは花の名前は知らないままでいいと止めます。
「私にとってあの花は❝谷の花❞で――いいの」
そう言ってエレさんは花冠を大事そうに抱き締めました。

そんなエレさんに対して、カディオさんがどうしたらいいか分からずにいると、エレさんはあなたはお姉さまをどう思う、と視線を外して訊ねました。
エレさんはきっと自分にとってあまり聞きたくない、世間一般で言われているような女王の悪評を言われるのだろうと思ったのでしょう。
けれど、すばらしい人だと思う、というカディオさんの一言に驚いて彼を見上げます。
あの頃のイル・カレナスはイル・レネイスの傀儡となっていた。腐敗した宮廷とそれを牛耳る精霊術士。それらを出し抜いてカルヘーツ帝国を利用し、国の害悪を一掃した
そして今も、カルヘーツに捕らわれながらいまだ女王でイル・カレナスの独立を維持させ続けている
そしてそんな身の上で妹姫の身を案じ、一緒に故郷へ帰る算段までしている。
どんな手を使えばそんなことができるのか、正直ちょっと恐ろしい……。
そうカディオさんに評価され、エレさんは泣き出します。
狼狽えるカディオさんにほんとにそう思う?と訊くと、
「思うも何も、それが今おこっている事実だろ?」
と、当たり前のように答えてくれました。
コーセルテルへ辿り着くまでの道中で聞こえてきたのは“国を売った女王”とか、”債務から逃げ恋に逃げた女王”とか、カレナス女王の罪悪ばかり。
そしてエレさんも、姉を信じてしなかったのだと気づいた。
「お姉さまこそが❝谷の花❞であった事を…」
エレさんの言動にカディオさんが困惑していると、子竜たちがエレさんが泣いていることに気づきます。
カディオさんが泣かせたと子竜たちに疑われますが、エレさんがうれし泣きよと微笑みます。
それを聞いたクララとキーニはひそひそと相談。でもカディオよ、うんエレだし、と失礼な子達ですね(苦笑)

それより、とエレさんがカディオさんにもう一つ質問。
エレさんがコーセルテルに来たばかりの頃、カディオさんはミリュウさんに❝谷の花❞を持たせて見舞いに行かせていた。どうしてカディオさん自身が来なかったのか、と。
「おかげで、まちがうところだったのよ」
そう怒るエレさんに、カディオさんは「……? 何…が?」とまったく分かっていません。
エレさんもあなたにもわからないことがあるのねと溜息。
他人のことには何でも敏いカディオさんですが、自分のことだとまったく鈍感ですね(笑)
ちなみにキーニとクララは今のでもう分かってます(苦笑)

今回のカディオさんは珍しく狼狽えていたり困っていたり驚いていたりと、何だか普通の人でしたね(笑)
うん……なんか可愛かったです(笑)

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無題
この作者さん、本来はダークシリアスが好みって仰ってましたが……
コーセルテルの面白いところって、「外の世界」が「単なる話の都合上の設定」で作られたものじゃなく、そっちが本来の作者が構築したリアルなハイファンタジー世界だってことなんですね。あたりまえだけど戦争、貧困、権力争いもある。
おとぎの国の楽園のようなコーセルテルだけど、実は様々な苦楽の歴史を積み上げた上に建ってて、事情があってそういう場所なんだ、ってことが物語の背後にあるんですね。だから住人はほんわか穏やかな暮らしに慣れてるけど実はそれなりに労力を払って維持している平和だってことがポチポチと出てきます。
コーセルテルがほのぼの漫画として固定されてる以上ふわっとしか触れない外の世界エピソードが山ほどあるあたりが危うい魅力なのかもしれません。そういえば主人公の両親はなんで亡くなったのか出てきてないぞ……( 親族は崖くずれですが )
しらたま 2017/08/06(Sun)01:17:19 編集
Re:無題
竜術士たちの過去については大体決まっているけれど、シリアスすぎて本編では出せない、みたいなことを以前先生のサイトで書かれていたことがありました(現在は削除されていますが)。
けれど連載が長くなるにつれ、そういう部分も出していかないと物語が進まなくなってきているのでしょうね。
もちろん、ほのぼのとしたファンタジー、というのがコーセルテルのコンセプトであると思いますが、それぞれのキャラクターに辛く悲しい過去があると言葉の重みも説得力も段違いに変わります。
過去を乗り越えた人たちが今を大切にしている。
だからこそ、ほのぼのとした日常が何よりも尊く素敵な物語になっているのだと思います。

マシェルの父親はマシェルが生まれる前に亡くなっている、しか出ていませんが、母親は体が弱かったと言っているのでおそらく病死かと…。
海に行く話の時に、母さんが亡くなるまで海の近くに住んでいた、と言っていましたので。
書きながら思いましたが、病死というのが結構多い気がしました。
まだ医療がそれほど進んでいない時代のようなので、病気も簡単に治せるものは少なかったのでしょうね。
天地葉夜  【2017/08/06 16:18】
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