コーセルテル 子竜物語 ３４話

「万年雪の事情（後編）」　（ゼロサム８月号）

扉絵がカシとその兄弟たちが小さかった頃の一場面のようですが、カシとアクタエオン（やっぱりミニサイズ）が戦っています。
ちょっとしたケンカっぽいですが、昔からの顔馴染みだったんですね。精霊だから昔って一体いつのことか分かりませんけど。

崩れた場所を下りて岩の裂け目をアータが探ると、マシェルとナータとシイの気配がちゃんとあり、無事なことを確認。また崩れたら危ないからと、土に埋もれない地竜であるアータが様子を見に中へ。
けれどアータだけでは岩をどかすにも時間が掛かるし危ないと、カシは地竜家へ助けを求めに行こうとしますが、シイが暑さに負けて小さくなっていたらカシが助けなきゃだろうとアクタエオン言い、代わりに地竜家へ。
サータは自分の手を見つめ、自分たちにも地竜術が使えるようになってたらと呟きました。地竜術の練習をしていたんですもんね。そりゃあ悔しいですよね。

シイには昔の、暗竜が一番荒れていた頃の記憶があるそうで、だから暗竜が恐いらしいのです。
コーセルテルにその暗竜が帰ってきたと聞き、カシのことが心配で迎えに来た、と。
ナータとラルカとエリーゼは暗竜たちが残して行った卵でしたが、プレアは後から来た卵ですからね。
だからシイはナータも、その竜術士であるマシェル＝カシを負かした竜術士も恐がっているのです。
しかもナータが睨んでるから余計に。ナータは岩が崩れてきた際にマシェルが助けたのに恐がってるシイに怒ってるのです。
さらに、マシェルが膝を押さえるのを見てケガをしているのかと更に怒るナータ。マシェル本人はかすり傷だと言いますが、荒げたナータの声を崩れた岩のすぐ向こうまで来ていたアータが聞き、慌てて引き返しました。
ナータの声にひどい怪我だと勘違いしてしまったんですね。
そして外のみんなにもそのことを伝えると、自分たちも地竜術が使えるはずなんだと、みんなで助けに行くことに。

シイはマシェルに保冷石をもらったり、一緒にカシのところへ行こうと言われたりして、悪い人ではなさそうだと判断したのか恐がりはしなくなります。
そこへアータたちが到着。みんなで地竜術で岩をどけるんだと張り切る子竜たちに加えて、カシが上の方の岩を凍らせて崩れないようにしてくれているようです。
だから最初は危ないからダメだと反対しようとしたマシェルも、みんなが地竜術を使えるようになるチャンスだとやらせてみることに。本当は暗竜術を使えば簡単に出られるそうなのですが。
そしてナータも、自分だけ何もしないわけにはいかないと、『地の貴石』を使って下の方の岩を支えることに。
竜たちが協力し合って助けようとしてくれている姿に、マシェルとケンカ（じゃないけど…）しているはずのカシも一緒に助けようとしてくれていることに、シイは以前、お山のおばあさんに時代は移ると言われたことを思い出します。
今の竜たちは恐い存在ではないのだと――。

子竜たちの頑張りで、マシェルたちは無事に外へ。シイもカシに預けられます。
そしてカシはマシェルに向かって、もう二度と穴蔵に入るなと怒鳴ります。いつも岩崩れにあって大事が起きているって（苦笑）
マシェルはカシを叱りに来たはずなのに、逆に叱られてしまいました（笑）
ちなみにカシは元の精霊から“力”だけを、シイは“記憶”を受け継いでいるのだそうです。
シイの思い出した一番古い暗竜の記憶、体が弱いけどとってもやさしい子というのは……何か今後絡んでくるのか…？
あ、アクタエオンは地竜家に誰もいなくて困ってます（苦笑）　みんな書庫に潜ってるんだって。だけど彼には書庫の場所が分からない。可哀想なアクタエオン…（苦笑）