コーセルテル 子竜物語 ２１話

「雨の日のとあるはなし」　（ゼロサム７月号）

どうしようって、それは私の台詞だっ！！＞リリック
わあああああ！！

今回は短編２本の構成になっています。

まず１本目。
連日の雨で、ニアキス族の若い夫婦の畑が水はけが悪くて水浸しになってしまい、彼らはエレさんに相談しますが、雨だから畑の見回りをしていたカディオさんと会って、ケンカになってしまっていました。ちなみにリリックとロイも一緒です。
水浸しになっているのはその夫婦の畑だけなので、竜術士に頼らずまずはベテランの農夫たちに相談しろと言うカディオさんと、コーセルテルの住人の手助けをするのも竜術士の仕事だと言うエレさん。どっちの言うことも間違ってはいませんが…。
水浸しになってしまった理由は水路が詰まっているだけだったようなので、カディオさんが若夫婦に鍬を持ってあれこれ指導し始めました。
エレさんは水竜術で水を抜いた方が早いでしょうにと呆れますが、ロイがカディオさんは畑で竜術を使うのが嫌いだと言います。作物を育てるのに竜術はいらない、と。
もちろん木竜たちの成長と勉強に必要な竜術は惜しみなく使うけれど、何でもかんでも竜術を使っていたら自分の手でできることがわからなくなってしまうからダメだと言うのがカディオさんの言い分だそうです。でももっともですよね。世の中が便利になるが良いに越したことはないけど、自分の手でできることくらいはしなくちゃですよね。
だから木竜たちは竜術を使わないで植物を育てる勉強もしているそうです。だからキーニは盆栽にハマったんだって（笑）
そんなロイの話を聞いてくすりと笑ったエレさん。
「だから、あんなになんでもできるようになったのかしら。たいしたものね…」
ちょっと呆れたように、でも笑っていたエレさん。今までカディオさんに対してこんな表情を見せたことないのに…！　リリックもびっくりしています。
リリックのどうしようは反応に困るって意味でしょうけど、「エレがカディオさんのこと好きになっちゃったらどうしよう…！」だと私が嬉しい。しかし最近はすっかりカディオさんとエレさん押しの内容が多いような…しくしく。

そして２本目、暗竜家。
ウィルフさんはお休みで帰って来ています。ティーマがちゃんと頑張ってくれているようなので、ウィルフさんの担当地域はイル・レイネスになるようで…。
イル・レイネス精霊術士国。精霊の配達員はもちろん、竜でも行きたがらないややこしい国。ウィルフさんは帽子さえ被っていれば見た目も気配も人間だから適任と言えばそうなんでしょうが…あと、精霊術士に暗竜の術資質は分からないとカディオさんが言っていたそうなので、ラルカも羽をしまって角さえ隠せば大丈夫なようです。
けれど行くことになっても町の方には滅多には行かない。行くのは主に北の魔族の里がある辺り――。
魔族の里は北に点在しているけれど、ろくに行き来もままならない。そんな所が、手紙で交流できれば――魔族の血を引くウィルフさんだからこそ、そうあって欲しいと思うのでしょうね。
そして、メリアさんが昔のことを少し話しました。旦那さん、つまりウィルフさんの父親とのことについて。
世界制服を夢見て魔族の里を飛び出した若者が、人間の村としては最北にある小さな村で１人の娘と出会った。その村に色々と思うところのあった娘は、ついそのバカな若者について行ってしまった――。
メリアさんの夫でウィルフさんの父親だから、知的で冷静で黒髪だと勝手に想像していたのですが、実際は無鉄砲で自信家で髪はトーンすら貼られていませんでした（笑）　メリアさんは何だか「この人のことを放っておけないわね、まったく」みたいな感じだったのですねー。うおお、２人の冒険の話が見てみたい…！！
彼の夢は途中で途切れてしまったけれど、子供たちの夢は叶うようにと願うメリアさん。
ついでに私のささやかな夢も叶えてくれないかしらとウィルフさんに微笑みかけます。メリアさんはウィルフさんとラルカが結婚してくれるのを望んでいますからねー（笑）

ラルカとエリーゼはクッキーを焼いていましたが、できたのでロービィに持って行きたいと言うエリーゼ。メリアさんは雨だからダメだと言いますが、ウィルフさんが後で送ってあげる、と。ロービィのことを仲良しのお友達と強調するウィルフさんはやっぱり２人のことを認めていないようですね。まったくシスコンなんだから（苦笑）
そしてせっかくだからラルカも甘えておきなさいと言うメリアさん。郵便屋の仕事を始めれば“お兄ちゃん”と呼んで甘える機会もなくなるだろうから、と。
そう言われて“お兄ちゃん”と呼べなくなるならと、ラルカは――「ウィルフさん…？」と呼びました。
思わぬ不意打ちに真っ赤になるウィルフさん。いいぞ、もっと“妹”としてじゃなくて“女の子”としてラルカのこと意識してやって！！（笑）
メリアさんも夢もまだまだ捨てたものではないようです（笑）

最後のまとめの文章が「それは雨があがる少し前の、とあるおはなし」となっています。
さらに欄外の引きの文が「次号、いよいよ雨があがり――？」になってるんですが……。
いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああ！！
ついに火竜家の代替わりなのーーーーーーーーーーー！？
メオが……メオたちが……ついにコーセルテルを去ってしまうのですか……えぐえぐ。